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俺は夢を振り返ってみる

表現は濁していますが、15歳未満の方は注意です。

性的な表現が苦手な人も・・・注意です。

熱が下がった後、夢でみた「前世」にショックが強すぎた俺は、親に頼み込んでもう一日休ませてもらうように頼み込んだ。

親はどうやら3日間も寝込んでいたため、まだ体力が戻ってなくてえらいのだと思ってくれたらしく、あと一日休むことを許してくれた。

ただし、食事はしっかり取るように言われたため、俺は両親が作ってくれたご飯をしっかりと食べる。


3日間もろくにご飯が食べれていなかったため、空きっ腹に暖かい粥や卵スープは体の内側から温めてくれた。

汗まみれの体も、温めたタオルで体を一通り拭いて、新しい寝間着に着替えて俺は前世のことについて改めて考え始めた。


ザーリック・・・ってもう、あんな最低野郎は「やつ」でいいか。

やつは、どうやら貴族というやつで、なかなかに裕福な暮らしをしていたようだった。が、裕福さを鼻にかけてお屋敷で働いている可憐な、(しかもなにげに皆さんレベルが高いっ!)メイドさんをその・・・お、手を・・・出していた・・・みたいで・・・。


うぅ~~!部屋に引き込むとこまでは見たけど、その後は部屋が思ったよりも暗すぎて何をしているのか詳細は見れなか・・・じゃないっ!見なくていいんだって!

見たらさすがに我慢ができ・・・でもなくて!


あぁ~~!!

ここはなし!この部分はカットカットカーーーーーット!!!


お、落ち着け、俺。

確かにそっちにも興味がないとは言えないとはいえ、相手はむ・り・や・りされているんだぞ?そんな事したら、普通は犯罪で、人非道的で、警察にお世話になるような人として終わった人生を突き進むハメになるんだぞ!


・・・そう、無理やり・・・なんて・・・。


はっ!!

頼む!今は思春期のイケナイ妄想に飛び込むのは控えるんだっ!!!俺~~~~!!!!


俺は自分の枕に頭を何度も打ち付けながら自分の中に悶々と浮かび上がる「イケナイ」妄想をなんとか振り払おうとしていた。

何度も頭を振り下ろしていたため、頭がグワングワンとする。


「い、一応病み上がりなのに、何やってんだ俺・・・。」


頭を抑えながら、自室で独り言を呟く。

今両親は仕事で出ており、一歳年下の弟は学校に行っているため、物音がしても構わないのだが、傍目からすれば一人ベッドの上に座って枕に顔を何度も打ち付けている様子はなんともイタイ中学生である。


俺は大きくため息をついた後、再度「前世」のことについて思いを馳せる。


やつは、屋敷内では好き勝手やっていた。

いい年齢であるはずなのに、どの様子を見ても働いている様子がない。

演劇を見に行ったり、カジノのような賭け事のような場所に行ったり、煌びやかな屋敷の中に入っては美人で、色気たっぷりなお姉さんと・・・だったり。

なんともうらやま・・・いやいや、けしからんことばっかりやっている。

屋敷の女性に手を出すばかりでなく、外の女性にまで手を出すだなんて、なんて無節操な!!俺もぜひお会いしてみたかった!!


・・・コホン。それはさておき。


好き勝手日々を暮らしていたやつだが、どうやらやつには俺と同じように弟がいるらしい。

名前は確か・・・リーク。リーク・ド・フルブランという人だった。


リークは常に書類の整理や決済のまとめ、視察や農業の開拓など常に忙しそうに立ち回っている様子がやつの目線からでもよくわかっていた。

そのため、リークに対しては使用人も、また農地で暮らす住民たちにも慕われているようだった。無論、両親にも期待が大きく寄せられているようだった。

当然だ。いつも遊び歩いているやつよりも、真剣に日々を働いているリークの方に人望が集うのも当たり前だと思った。俺だってリークのほうがいいって思う。


俺は夢の中で、何度もその兄弟がすれ違う場所を何度もみた。


・・・そう、すれ違う場所だけ(・・)見たんだ。

広いお屋敷の中で、お互いはただすれ違うだけ。どんな時も、一言も話すことなく。

両親も同じだった。やつとすれ違ってもなにも、一言も、話さない。


そりゃーそうだ。

働きもしないで、好き勝手やって、なおかつ使用人にまで手を出すなんて、家族が呆れて見放されるのも当然だ。自業自得、身から出た錆だ。


そんなある日のことだ。

また遊び出歩いていたやつは、街中にある石橋を越えようとした時にその子を見つけたんだ。

石橋のふもと、街の中に流れる川の付近で、その子はうずくまっていた。

裸足にボロボロの衣服。すす汚れた髪が背中まで伸びており、顔も同じく汚れていた。

明らかに今まで見た街の住人とは比べ物にならないほど装いがボロボロなその子はどうやら貧民と言われる子のようだ。

異臭もするその子をじっくりと観察したあと、やつはどういうわけか、その子に声をかけていた。


声をかけられたその子はビクッと目に見えて震えたあと、ゆっくりと顔を上げた。その顔と瞳に俺はいい意味で驚いた。

頬は少しコケ、痩せているが。それを除けば小顔で肌は白く、幼い顔立ちであるため、今まで見てきた女の人よりも愛らしく、大きな瞳は夕日のような真っ赤な輝きを秘めていた。

その瞳は不安で揺れていたが、まっすぐと視線はやつに向けていた。

やつと少女(?)はしばらく目線を交差していたが、先に行動を起こしたのはやつだった。


やつはなんと、あろうことか、少女を抱き上げ、自分が羽織っていた上着で少女を隠すように包んだあと、馬車に乗ってお屋敷に連れ帰ったのだ。そう、無理やり!!


少女を綺麗にしてみた姿は、煤汚れた髪は綺麗に洗い流すと白銀の煌きへと変わっていた。

そう、彼女は世に言う「アルビノ」と言われる姿をしていたんだ。


そして、やつは、人として最低な発言を言っていた。


やつはこう言ったのだ「今日からお前は俺専用のペットだ」と・・・・。


俺は、そこまで視て、目を覚ましたのだ。



思春期真っ只中の少年にはよく見えなくても想像を掻き立てられるんでしょうか。若いっていいですね。

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