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episode 2

 どこからか犬の鳴き声が聞こえてくる。

 校庭は始業式が早く終わることを切実に願っている生徒たちで埋め尽くされていた。

 行事恒例の長くて退屈な校長先生の話も終盤に差し掛かっていた。


「――えー、最後に皆さんに嬉しいお知らせがあります」


 校長は一旦言葉を切り、校庭に面している職員室の方に目をやった。


「今日から皆さんと一緒に勉強することになった新しいお友達を紹介します。篠崎君、どうぞ」


 ん?


 怜香は顔を上げた。


 篠崎? どこかで聞いたことがあるような――


「えー、ウソー!」

「転校生?」

「マジで?」

「あっ、あの人じゃない?」

「6年生?」


 篠崎、と紹介された少年は、生徒たちの興奮したざわめきの中、職員室からの扉を開けて校庭に出てきた。騒がしい生徒たちが静まるのを待ってから、彼は淡々と自己紹介を始めた。


「今日からこの学校の一員となります、篠崎です。残り僅か1年間ですが、その間宜しくお願いします」

「…えー、篠崎君はアメリカから帰国したばかりなのでね、わからないことも多いと思いますが、彼がこの学校に早く馴染めるようにみんなで協力しましょう。」


 アメリカ?


「篠崎君は6年1組に編入となりますので、1組の人たち、宜しくお願いします。それでは週番の先生、お願いします」


 怜香は彼の整った顔を凝視した。


 長めの前髪に隠れてしまいそうな切れ長の瞳。


 すらりと筋の通った鼻。


 整った輪郭。



 アメリカ…篠崎…



 怜香の記憶の底から何かが込み上げてくる。


「アメリカだって!」

「帰国子女じゃん!」

「インテリ?」

「カッコイイー」


 週番の先生の話は完全に無視され、転校生が編入されることになった美咲たちの6年1組は始業式が終わってからもその話題で持ち切りだった。

如何でしたでしょうか。ケータイで投稿しているので多少時間は掛かりますが、週3回くらいのペースで更新していきたいと思います。これからも宜しくお願いします。次回は教室での風景です。

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