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家出少女

作者: 杏子

 行き先もなくただただ賑わう街をひたすら無心で歩いていた、歩こうとしていた。

 

 まだ夏の雲一つない晴れ晴れとした空の下、通りがかった広場で、紳士はのんびり昼寝をしていた。淑女は優雅にティータイム、子どもは無邪気に戯れて、、、楽しそうだった。

 

 青空

 

 曲がり角に差し掛かった時、カフェの前に佇む女性に目がいった。目が赤らんでいて、しきりに腕時計を見ていて手には何か袋を提げていた。

 なんとなく自分と重ね合わせている自分に気がつき、あの・・・声をかけた。


 ショール


 暫く歩くと商店街に出た。時間は丁度お八つ時で、ほのかに匂う洋菓子の甘い香り、小腹が空く。お金、持ってくればよかったな……物々交換して貰おう。


 ダイヤネックレス


 住宅街を歩いていたら、向かって来た子どもが目の前で転んだ。手にしていた紙袋からは林檎が転げ落ちた。拾うと同時に男の子の足の擦り傷に気がついた。ーー林檎。


 ハンカチ


 林檎


 陽が傾き始め、街には微かな明かりが灯され出した。 広場には先程の活気はなく、ただ静けさがこだましていた。

 

 沈黙の中を歩き続けると、道の半ばで青年に出会った。くたびれたジーンズに、薄汚れたワイシャツ。袖には綻びが出来ていて、ボタンは所々外れてしまっている。履いている靴も底がだいぶすり減っているようだ。褐色に焼けた肌に白い歯がきらっと光る。


ーー君も、探しているのかな?


 茜さす

 日ぐらし今日も明け暮れて

 やがて陽は落ち疲れ果てたり


 彼は笑う、そして言う。


ーー今日という日を、誰かの心に繋ぎ留める為じゃないかな。


 家出

初めて短歌の制作をしました。

五七五七七の中に収めるのが思いの外難しかったです^_^;

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