◇第八話◇「グリフォンとナギ」
連続投稿なんて久しぶりですなぁ・・・(遠い目)
ナコナに話を聞いた俺は、暫く考え事をしていた。
何故ナギが連れて行かれたのかや、何処に連れていかれたのか等。
ナギを攫ったという黒い巨体は一体なんだったのか。
考えても解答は見えてこない。
何かヒントがあれば・・・
そんな時、滝側から先ほどの凄まじい羽ばたきの音が聞こえてきた。
黒い巨体か・・・?俺達に緊張が走る。
もし、黒い巨体が俺達の敵であるならば、俺が3人をかばうような形で戦闘しなくてはならない。
今の俺に、そんな芸当は不可能だ。
先ほど黒い巨体に出くわしているナコナが震え始めた。
ナコナ「さっきの巨体の時と同じ音です・・・!」
音は段々と近づいてきた。音と同様に黒い謎の巨体の姿が見え始め、その足の部分に
人を確認できるくらい近づいた時、俺は叫んだ。
ティノ「あれは・・・!」
間違いなくナギだ。あの青いエプロンドレスは間違いようがない。
ナギは、黒い巨体に鷲づかみにされ、身動きが出来ないようだ。
ティノ「お前・・・!ナギをどうする気だ!!」
俺は近くにあった石を投げつけた。石は黒い巨体のへ飛んでいき、見事に命中した。
だが、本体に全くダメージは無いらしく、黒い巨体は何の反応も示さない。
「ドシン・・・」
とうとう洞窟の中に入って来て、ナギを背に乗せ着地した。
ヴォルス「ナギ・・・!!無事だったのか!」
ナコナ「ナギさん・・・!」
メイリ「ナギちゃん!!」
口々にナギの名を呼ぶ。ナギはそれに答えるように「ただいま」と呟いた。
「何故その黒い巨体がここに?」
俺達は訳を問う。いきなり謎の生き物を連れてこられては困る。
せめて素性は知っておかなければならないだろう。
ナギ「この方は・・・グリフォンっていうのよ」
ヴォルス「グリフォン?」
聞いたことがあるな。確か、アリスの話に出てきた筈だ。
偽海がめのシーンで・・・
ティノ「グリフォンなら、下半身は茶色、上半身は白のはずじゃないのか?」
グリフォン「それが俺にも分からないのだが、この世界の異変のせいで身体が変色してしまったのだ。
この色のせいで皆から仲間はずれにされてしまった所でアリスを見つけた。
話を聞こうと連れて行ったのだが、アリスがどうしても君たちが心配だというので
戻ってきたのだ」
メイリ「ふうん。じゃあ一応敵・・・モンスターではないんだ?」
グリフォン「勿論だ。見た目は怖いかも知れないが、君たちに害は与えない。
むしろ、君たちと行動を共にし、協力しようじゃないか。
ここに来るまでに大体の話はアリスから聞いた。」
ナギ「だから・・・・ナギと呼んで頂戴、グリフォン」
グリフォン「そうだったな。ナギ。」
まるで、前から仲間だったような対応の二人を見ると、
どうやら話は本当らしい。
ティノ「良かった。俺はてっきり敵に攫われたのかと思った」
グリフォン「普通に見たらそうだろうな・・・申し訳ない。」
グリフォンは俺達に頭を下げ、謝った。勿論俺達は咎める気もないので、
話を戻す。
ティノ「協力・・・か。何か情報はあるのか?」
グリフォン「この世界に詳しい者なら知っている。チェシャ猫だ。」
チェシャ猫・・・か。そうだな、あいつなら何でも知ってるに違いない。
ただ、普通には教えてくれまい。
ティノ「何処に居るのか知ってるのか?」
グリフォン「兎を追っていけば森の中で会える筈だ。」
兎はこの世界に来る際などに見かけているが、既にみうしなっている。
これで八方塞か・・・
ティノ「兎はみうしなった。」
ナギ「その他に分かる事は無いの?グリフォン」
グリフォンは少し頭を傾げ・・・丁度人間が考え事をしているときのような格好をして
うなった。
グリフォン「あぁ、そういえば俺に起きた異変はこれだけではないんだ。これを見てくれ。」
そう言うと同時にグリフォンから煙が出て、辺りが見えなくなった。
少し経つと段々煙は消えていき、中から一人の人間が現れた。
白いTシャツに茶色のズボン。肌は少し焼けている。
腰からはチロンと尻尾が出ていた。
ヴォルス「グリフォンって人間だったのかぁ!!?」
ヴォルスがこういうのも可笑しくない。さっきまでの巨体・・・グリフォンは今、
紛れも無い人間に姿を変えたのである。
しかも、まるで元々人間だったかのように、服を着こなしていた。
グリフォン「多少グリフォンの時の姿は残っているものの、この姿は人間というものだろう?」
ティノ「そのとおりだよ、驚いた・・・」
この世界に起きたバグは予想以上に大きいらしい。
フィールドの驚異的な変化に伴い、キャラクターの姿をも変えてしまったのだから。
一体このバグは何で起きたんだ?
後ろに黒幕がいるとでもいうのか?
メイリ「ところで、その森・・・今は森じゃないとは思うけど、それはどこに?」
グリフォン「分からない。地形もかなり変わってしまったからな」
地形が変わった、だから俺達は本来目立つはずの女王の庭さえもが見つからなかったのか。
地形がどう変わったか分からない以上、厄介だ。
ここは俺が知っているワンダーランドではないということになるからである。
ティノ「話を変えるようで悪いんだが、グリフォン、お前はその姿とあの姿とを自由に変えられるのか?」
グリフォン「あぁ、あの二つの姿なら好きなように変えられるぞ」
ティノ「あと、もう一つ聞きたいんだが、そのウサギが逃げてった場所はこの森ではない森なんだな?」
グリフォン「そうだ。元々はこの森の続きだった場所だが、バグとやらが原因で場所がぐちゃぐちゃになってしまったのだ。だから今、場所は分からない。」
ティノ「だとしたら、グリフォンにお願いがある。」
この洞窟を埋めんばかりの巨体を持つ彼なら、出来る筈だ。
俺らを背に乗せ、空を舞うくらいの所業は。




