◆第七話◆「黒い巨体」
お待たせいたしました。学校のパソコンよりログインいたしまして、今まで家の壊れたパソコンの中に眠っていた続きを投稿します!
・・・・・。
?「起きろ、アリス。起きるんだ。」
アリス、アリスと呼ぶ声は聞き覚えの無い声。
目を開いて見えたのはー・・・
何ともいえない姿のさっきみた黒い巨体だった。
一体これの生き物は何なんだろう?
でも不思議と恐怖感はない。
?「起きたのか、アリス。」
私はナギであってアリスではない。
なのに私をアリスと呼ぶのであれば・・この生き物は私を知らない者。
そして・・・この世界の住人という事。
私はこいつに攫われてきた。
分かっているのはそれだけ。他は何も分からない。
・・・って何でこの生き物は喋るんだろう?
ナギ「・・・・貴方・・誰?」
?「俺の事か?」
ナギ「えぇ、そうよ。」
グリフォン「俺の名はグリフォン。」
ナギ「グリフォンってあのギリシャ神話の・・・?」
グリフォン「そうだよ。やはり君を選んで正解だった。」
グリフォンは神話内の生き物。
そんな凄い動物に会えるなんて思って無かった、だけど・・・
ナギ「何のために私を?」
グリフォン「君が一番アリスに近かった・・・だから連れてきた。もっとも・・・
知識がありそうだという理由もあるが。」
私に知識等存在しないような気がするけれど・・・。
グリフォン「それより見てくれ。この身体を。昔はこんな色ではなかったのに、いつの間にか真っ黒になってしまっていたんだ。アリス、君は何か知らないか?」
ナギ「私は何も・・」
グリフォン「じゃあ、この国の異変については?」
ナギ「モンスターが出てきたということだけしか分からないわ。」
グリフォン「そうか・・・なら、あいつに話を聞くしかないな。」
ナギ「あいつって?」
そんなにこの国について詳しい人が居るのだろうか?
そうだとすれば、帰る方法を教えてもらえるかもしれないし、
運が良ければ・・・グリフォンとその“あいつ”って呼ばれてる生き物も、
仲間になってくれるかもしれない・・・!
グリフォンはしぶしぶ名前を口にした。
グリフォン「チェシャ猫だよ。」
流石にチェシャ猫には聞き覚えがある。
確か・・・なぞなぞが好きな猫だったような。
自由に消えたり現れたりする・・・。
ナギ「チェシャ猫は何処にいるの?」
グリフォン「さぁ?何処だろうな。」
ナギ「分からないの?」
グリフォン「あいつは自由人だからな。」
自由人って・・・自由猫の間違いじゃないの?
ナギ「じゃあ、色々な場所を探すしかないみたいね。
・・・それより・・・私を元居た場所に連れてってくれない?」
グリフォン「それは無理なお願いだ、アリス。」
ナギ「・・・ねぇ、私はアリスじゃなくて・・・ナギよ。」
そう言った途端に黙るグリフォン。
私、何かまずいことを言ってしまったのかな・・?
グリフォン「いや、君は間違いなくアリスだよ。でなければその姿は有りえない。
チェシャ猫と同じ姿なんて・・・アリスぐらいのものだ。」
・・・・・・へぇ、チェシャ猫と同じ姿・・・・。
ってえぇっ!!?
ナギ「チェシャ猫って人間なの?」
グリフォン「いいや、チェシャ猫は猫だ。何を言ってるんだ?」
ナギ「それじゃあ話が成り立たないじゃない。」
グリフォン「成り立つよ。見れば分かる。」
ナギ「その前に、私の仲間と話をさせて。さっき貴方に連れ去られる前に見たでしょう?
さっきの洞窟に置いてきてしまうのは悪いわ。それに心配させたくない。」
グリフォン「・・・そこまで言うならアリス。誓ってくれ。」
ナギ「何を?」
グリフォン「俺から逃げないということを。」
ナギ「そんな事、私はしないわ。貴方を見て逃げ出すなんて。でもそこまで約束させるって事は、
深いわけがあるのね?」
グリフォン「俺の姿を見て逃げ出す奴が多いんだ。このままでは俺は一人になってしまう。」
そう話すグリフォンは、俯き暗い表情をしていた。
さっきまでの威厳が嘘のように、かよわい生き物に見えた。
ナギ「そんな事無いわ。私達がついてる。」
グリフォン「・・・私達?」
ナギ「そう。私が仲間と言っていた人たちも、きっと貴方から逃げたりしないわ。
さぁ、さっき居た洞窟に戻って頂戴。」
その言葉を信じたらしいグリフォンは、少し嬉しそうな声で嘶いてから私を足で掴み、
大きな翼で羽ばたき始めた。
グリフォン「確か向こうの方だったな・・・」
暫く飛んでいくと、先ほど私達の居た滝が見えて来た。
かなり距離があったと思うが、よく道を覚えていたものである。
私はグリフォンの記憶力に驚くばかりだった。
グリフォン「・・・あの滝で合っているか?」
ナギ「えぇ、間違いなくさっき居た滝よ」
グリフォン「アリスの言う仲間とやらは俺を受け入れてくれるだろうか?」
心配そうに言うグリフォンに、私は宥めるように「大丈夫よ」と呟いた。




