世界感覚 1
続きです。
結構長いですね。
読むの辛いかもしれませんが頑張ってください。
至らないところがあればコメントお願いします。
「それで?俺はどうすればいいんだ?」
今は家から出て、俺達は裏道を歩いていた。
「簡単に聞くけどさ、君って、うーん、なんていえばいいんだろう。超能力の類とか持ってたりする?」
超能力?頭おかしいのか?そんなもん生まれたときから持ち合わせてねぇよ。そんなもん持ってたらあんな特訓受けなくて良かったわけだし。
「はぁ。超能力……ねぇ。それは持っていないけどさ、果たしてそれがどんな役に立つってんだよ。」
「最初から目的を言わせるのかい?全く、それは野暮ってもんでしょ? まだ僕と君の関係ではそれはいえない。だから言わせてもらうけど、単純に言うとそうだね、目的は二つ在るんだ。」
野暮って、テメェが言うか。俺は巻き込まれた身だぞ。いや、自分で協力するって言ったんだからダメか。文句は言えない立場だ。
「二つ? そりゃ大きく出たもんだ。目的一つでも大きなもんなのによ。」
「何故解るんだい?僕はまだ説明していないじゃないか。」
「此処に来た時点でなんとなく解るさ。此処の住民に協力を仰ぎたいって事は、……簡単に見ても、国への反乱とか。」
「根拠は?」
「しつこい奴だな。解った、説明してやるよ。」
「感謝するよ。」
「ここに来て協力を仰ぎたいって事は、恐らく、向こうの住民には頼めないことなんだろう。見た感じお前のあちらでの序列は高そうだった、つまり兵士を操れるお前が、それでもお前が俺たち【荒廃地域】の住民に協力を仰ぎたいって事はやましいことや、悪事だったんじゃないのか? そして、わざわざこちらへ来た。それにお前はこうも思っただろうな。国の転覆ならば【荒廃地域】の住民も納得するんじゃないかって。そして、二つ目の目的もそれに応じた位、難易度の高いものだろうな。なぜなら先に国家の転覆を図るんだ。それを行った後に出来ることだろうしな。以上根拠でしたがどうでした? 点数的に何点ですか?」
驚いた顔をして一井は言った。
「最高点だよ。君は、なかなかどうして。凄いじゃないか。」
別に凄くない「此処で生きていくには必要最低限のモノを使っただけだよ。」
「というと?」
「洞察力。言葉の揚げ足とり。そして、一滴の妄想力だよ。」
「妄想力?」
「相手をみて、相手が何を考えてるのか想像し、言葉の揚げ足から想像の筋道を固める、そして最後に不明瞭なところには自分の妄想をあてはめるのさ。これで、完成。まぁ、こんな方法で作っても大概は【暴論】か【曲論】になっちまうんだがな。」
「なるほど。確かにそれが出来ないと情報が不確定なこの世界では生きていけないよね。」
「あぁ。コレは俺が生まれたときから教わったことだ。……で、話が大分逸れたけど、お前は一体この国をどうやって覆すつもりなんだ? さっきも言ったと通り、国を覆すとなりゃぁ大事だぜ? 大事にはそれに見合った力と人数が必要になる。俺たちにはそんな力もないし、人数も二人だけだろうがよ。」
「そこでさっきの話に繋がるんじゃないか。君が超能的力を持っていたら、それこそ《一騎当千》の力を持っていたら転覆だって夢じゃ無いはずだろ?」
残念なことに俺は《一騎当千》な力なんて持ち合わせちゃ居ない。せいぜい持っていて、《百戦錬磨》程度だ。
「持ってない。そして超能的力を持っていても、せいぜい国とは《五分五分》だろうな。」
「そうかい。そういうと思っていたよ。」
「は?」
「そんなこともあろうかと、僕は《とあるもの》を用意しておいた。」
そして一井は何処に置いてあったのだろう、鞄の中を漁り始めた。ちょっとまって? とあるもの? どういうこと? ちょっとの好奇心と多大なる恐怖心で俺は一歩後ずさった。
そして鞄を漁り終わったのか、一井は手に何か光輝くものを持って、俺の元に歩んできた。
「コレが【超脳石】さ。」
「超脳……石……?」
俺は、その光に見とれていた。不思議だ。不思議とそれは輝いていた。石の色自体はくすんだ翠なのだがそれがだす光が七色に輝いていた。俺はその七色の光に見とれていた。七色の光の中に、俺は右手のイメージが浮かび上がった。……何故に右手?
「超脳石。文字通り、超能力を与えるんだ。それはもう、超能力と言うより人外の化け物じみた力と言っても過言ではないんだけどね。王族が厳重保管していたものを盗んできたんだ。」
そういって奴は、鞄からそれを五個取り出し、計六個を地面に置いた。
「なぁ、これってさ、どうすればいいの?」
質問の意図が自分でも解らなかった。たぶん、俺は、コレで力を得るためにはどうすればいいの?と言いたかったんだろう。
「ふーん、ざっくり解釈して説明すると、《コレを今から脳に埋め込みます》」
……。は!? いやいやいや、馬鹿? ほんとに? 死ぬよ? 多分、いや、絶対すげー痛いよ?
「そんなに焦らなくても大丈夫。熱消毒はしてあるから。」
まずは麻酔しろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
そして、一井は下段に拳を振りかざし、俺は腹部に一瞬激痛を受け、……それからの記憶は無かった。
目覚めれば、そこは空が映る場所だった。
「だったら、大半の場所じゃねぇか。」とか、ちょっと嘯いてみたり。
「やぁ、おはよう。」
「決して、お早くは無いんだろうな。」
うん、今日も応対は感度良好だ。逆に応対の感度が良好じゃない日って何時だよと自問自答してみたくなった。多分それって不機嫌な日じゃないかな。じゃぁ俺は今日もご機嫌だ。
「って、ご機嫌とかそういう問題じゃねぇんだよなぁ」
……冷静に考えると、ここ最近の記憶があやふやだ。……不本意だが少し一井に聞くとするか。
「なぁ、今日って何日だ?」
「はぁ?全く覚えてないの? 君おととい超脳石を入れるのが嫌だって言って倒れたんじゃないか。今は超脳石を入れて三日後だから。」
「そっかー、俺の頭に超脳石入ってんだ。俺どんな能力使えんのかな。」
「わかんないなー。ただ、能力を得るまでには入れてから最低三日は必要なんだよね。その三日間は眠り続けるし、その間に死ぬ確率も増えるんだけどね。おめでとう。」
「ありがとう。いやー生きてて良かったー。って、馬鹿ぁ!!! おま!俺死ぬ寸前だったって事じゃねぇか。」
かなり焦る。乗り突っ込みすることが出来たのは奇跡だろう。
「いやいや、だから死ぬなら死ぬで本来ならとっくに死んでてもおかしくないし、なら生きてて良かったね。おめでとう!」
「うるせーよ!死んだら元も子もないだろうが!」
「それでも今の君は五分五分から《一朝一夕十人十色百戦錬磨千差万別》ってぐらいの力を得たんだよ?」
「四字熟語で一、十、百、千、万を使うな、ややこしい。で、俺はどんな力を得たんだ?」
「いやー、それはわかんないなー。君が力を《自力》で使えるようにならない限りは。」
……もしかして俺、入れられ損じゃね? いや入れられ損の意味がわからないんだけども。
「そもそも、力っていうのはありがちな設定だけど自分の意識の具現化なんだよ。つまり簡単に言うと自分の意思が力に、意思の強さがそのまま能力の強さに比例するんだ。つまり、明確な目的と意思を持たない限り《自力》では能力は使えないって事さ。」
「じゃぁ、俺はまだ能力が使えないと……?」
「まぁ、そういうことなんじゃないか? 事実君は僕に脅されただけで、昨日まで王国にあきれきっていた一般人じゃないか。」
あ、脅してたっていう自覚あるんだ。
「能力の原理はわかった。というより、俺は能力を得た。そこもわかった。それでも、わからないことが二つほどある。」
「何?」
「まず、二人で国を転覆させることは不可能だということ。次に目的がいまだあやふやだ、はっきりさせろ。」
そういうと一井は肩をすくめ溜息を吐くように言った。
「僕はちゃんと仲間を集めるよ。」といった。
「目的は?目的は何個あるんだ?」
そして一井は覚悟を決めたように、吐いた分の息を吸うように力を入れていった。
「目的は六個ある。」……と。




