表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強召喚士と、ハズレ扱いの異世界少年?  作者: ジョン-ドゥ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/18

第5話:最強の召喚士と、王宮の異変?

バルガスに連れられてやってきたのは、

 『金獅子の鬣亭たてがみてい』。

 この街で一番と言われる高級酒場だった。

 テーブルに並べられたのは、

 香草で蒸し上げた地鳥の丸焼きと、

 濃厚なチーズが溶けた温野菜のスープ。


 「……っ!? うまっ!!

 なにこれ、昨日の肉も凄かったけど、

 プロの料理は次元が違うよ……!」


 ハヤトが夢中でフォークを動かす。

 その様子を眺めながら、バルガスが、

 エールを一気に飲み干して笑った。


 「ガッハッハ! 存分に食えハヤト!

 ……しかしレオン。

 てめえ、王宮を追い出されたってのは、

 マジなんだな?」


 「ああ。……バルガス、

 ここだけの話にしておけよ」


 俺は声を潜め、真剣な目でバルガスを見た。


 「実は……こいつ、ハヤトは、

 例の儀式で呼び出された『異界人』だ。

 ……まあ、勇者としてな」


 「……は?」


 バルガスが飲んでいたエールを吹き出しそうになる。


 「勇者、だと!?

 冗談だろ、そんなヒョロいガキが……」


 「王宮の連中もそう思って、

 ハズレを引いたと俺に押し付けたんだ。

 だが、正体が知れると何かと厄介だ。

 ……いいな、絶対に他言無用だぞ」


 バルガスは暫くハヤトを凝視していたが、

 やがて深く溜息をつき、頷いた。


 「……分かった、口は割らねえよ。

 『勇者』なんて肩書きが広まりゃ、

 宗教連中やら野心家やらが、

 ハエみたいに寄ってきやがるからな」


 バルガスはハヤトの肩をガシガシと叩いた。


 「まあ、てめえが何者だろうと関係ねえ。

 レオンの連れなら、俺も歓迎するぜ。

 頑張ってこの世界で生きていけよ、小僧!」


 「……あ、ありがとうございます。

 あの、レオンさん。

 僕、やっぱり召喚士になるんですか?」


 「さあな。お前の適性はまだ不明だ。

 幸い金もできた。まずはこの世界に慣れるまで、

 ゆっくり休むといい」


 俺は焼き立てのパンをハヤトの皿に置いた。


 「気が向いたら、ギルドの簡単な仕事でも、

 散歩がてらに試してみればいいさ」


 「……。

 レオン、てめえがそんな風に、

 他人を構うなんて珍しいじゃねえか」


 バルガスが意外そうな顔をして俺を見る。


 「いいかハヤト。

 この世界で『召喚士』ってのは、

 本来はただの数合わせでしかねえ。

 魔力を絞り出して格下の魔物を呼び、

 使い潰すだけの嫌われ仕事だ。

 だが、レオンだけはなぜか異常なんだよ。

 数年前、この街がスタンピードで、

 壊滅しそうになった時……。

 こいつが現れて、たった一頭の召喚獣で、

 地平線を埋めた魔物を全部片付けちまった」


 バルガスは声を潜め、不敵に笑った。


 「仕組みは知らねえが、こいつだけは、

 格上のバケモノを自在に従えやがる。

 王宮の連中は、こいつの凄さを、

 ただの『便利な魔法』だと思ってたらしい。

 だがなレオン。

 てめえを追い出したあの国は、

 近いうちに頭を抱えることになるぜ。

 国を守る『最大の手札』を失ったんだからな」


 「……。

 自業自得だ。

 あいつらは、俺が影に伏せていた、

 魔物への抑止力にすら気づいていない」


 「全くだ。

 せいぜい、国を支える結界が、

 いつまで保つか見物だな」


 ハヤトは、俺の横顔を、

 改めて驚いたような顔で見ていた。


 「……レオンさん。

 あんた、想像以上にヤバい人だったんだね」


 「だからヤバいと言うな」


 こうして、俺たちの新しい拠点は、

 ガレリアの街に決まった。

 王宮が自分たちの過ちに気づくのは、

 まだ少し先の出来事である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ