第4話:地竜の魔石と金貨の響き?
バルガスに促され、
俺たちは一階の換金窓口へと戻った。
「おい、この二人をギルドに登録しろ。
それと、この換金だ。
腰を抜かすんじゃねえぞ」
バルガスがカウンターを叩くと、
受付嬢が慌てて羊皮紙を取り出した。
「は、はい! では、こちらに、
お名前と……ええと、職業を……」
俺は迷わず『召喚士』と書き込んだが、
ハヤトはペンを握ったまま固まっている。
「……ねえ、レオンさん。
僕、職業なんてないよ? 学生だよ?」
「『召喚獣』とでも書いておくか?」
「人間扱いしてよ!!」
結局、ハヤトはレオンの適当な助言で、
『召喚士助手』として登録された。
「……よし、次はこれだ。査定しろ」
俺がカウンターに置いたのは、
拳ほどもある、蒼く透き通った魔石だった。
その瞬間。
喧騒に包まれていたギルド内が、
氷を打ったように静まり返った。
「……なっ!?
あ、アースドラゴンの、魔石だと!?」
受付嬢が悲鳴に近い声を上げ、
椅子から転げ落ちそうになる。
「バカな……。
あんな高純度の魔石、
数年は市場に出てねえぞ!」
横で見ていたバルガスすら、
呆れたように額を押さえている。
「……レオン、てめえ。
来る途中にさらっと狩ってきやがったのか。
……おい、金庫から即金で用意しろ!
この純度なら……金貨三十枚だ。
文句はねえな?」
金貨三十枚。
ハヤトは「キンカ……サンジュウ……」と、
聞いたこともない単位に、
完全に思考が停止してポカンとしていた。
窓口にジャラジャラと積み上げられていく、
本物の金の輝き。
「……ガッハッハ!
さあ、身分も路銀も揃ったな!
よし、飯を食いに行くぞ!
レオン、ハヤト、てめえら遠慮すんなよ!」
「……あ、はい。
……メロンパン、何個買えるかな、これ」
「だからお前の基準はさっぱりわからん」
手続きを終え、金貨の重みを感じる暇もなく、
俺たちはバルガスに促されるようにして、
街で一番の高級酒場へと向かった。




