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最強召喚士と、ハズレ扱いの異世界少年?  作者: じょん-ドゥ


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20/46

第20話:禁断のレベリング?

 翌朝。俺はハヤトを連れて、

 ガレリアの街から少し離れた『深緑の森』へ向かった。

 ここには、昨日の草原にいたウサギとは比べものにならない、

 凶暴な魔物たちが潜んでいる。


 「……レオンさん。やっぱり僕、

 ここで待ってちゃダメですかね?」


 「当たり前だ。……ほら、来るぞ」


 俺が指を鳴らすと、茂みの奥から、

 三頭の巨大な牙猪ワイルドボアが突進してきた。


 「うわっ、デカい! ……よし、食らえッ!!」


 ハヤトはスマホをポケットに放り込み、

 無我夢中で右手を突き出した。


 「――メロンパン、出ろっ、出ろっ、出ろおっ!!」


 ボフッ、ボフッ! と、

 ハヤトの手元から焼きたてのパンが連射される。

 猪の鼻面に当たっては虚しく弾け、

 辺りに甘い香りとパン粉をぶちまけた。


 「ギシャアアッ!?」


 視界を塞がれ、顔を汚された猪たちが、

 怒り狂ってハヤトへと狙いを定める。


 「……良し。注意を引いたな」


 俺はハヤトの前に踏み出し、

 影から召喚した影のシャドウ・パンサーを放つ。

 豹の一撃が、怯んだ猪たちの首を一瞬で跳ね飛ばした。

 ピコン。


 「……はぁ、はぁ。……あ、鳴った!

 ……レベル、一気に十まで上がりました!」


 「……。

 やはり、お前がおとりとして機能すれば、

 トドメが俺でも経験値は入るようだな」


 パンを投げ続けてレベルを上げるという、

 あまりに前代未聞の光景。

 ハヤトは息を切らしながら画面を操作した。


 「……新しい生成リストは……ええっ!?

 『メロンパン専用・保温温めトースター』と、

 『プラスチックのフォーク』……?

 ……あ、あと『イチゴジャム』も追加されてる」


 「…………。

 ……お前、この死地で、

 まだ『食事環境』を整えるつもりか?」


 俺は深く、深いため息をついた。

 レベル十に到達して得た力が、

 どこまでも「美味しく食べる」ためのセット品。


 「……。

 (……。俺は一体、何のために、

 世界最強の召喚魔術を使っているんだ……?)」


 俺は虚空を見つめ、

 パン屑にまみれた少年と、

 それを舐めようとする猫を連れ、

 さらに森の深部へと足を踏み入れるのだった。

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