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『宗教と生きるという事』

13. 宗教と生きるという事


 今の国民の宗教観というのを強く作り出しているのは、若い世代であるというのはいつの時代もそうであると考える。


 特に自分の意見を大衆に対して簡単に述べる事が出来る今の世の中では尚更、それを上手く駆使できる若者世代の意見は幾重にも重なった矢の束の様であり頑固でありながら、その飛ぶ先を自由に変える。


 全ての議論、全ての意見でという風にはいう気はないが、宗教への感覚という一つの意見を挙げればその多くを占めているのは意見を発信する機会を多く持つであろう世代であるというのは流れるままの意見だ。


 宗教は衰退の一途を辿っていると言ってもいい。内側から観察する一つの意見である。


 カルト宗教が多く存在するこの国の持つ自浄作用が上手く働いているのは肌で感じる。悪い部分だけを汲み取ればまぁ、それは不思議な事ではない。否定するところなどない。


 しかしながら、そう理解している私だが、宗教というのは消えて無くなるほどのものでは無いと述べたい。


 実際的に消えなければいけないもの、消えるべきものというものは存在するだろう。何がとは挙げられないが、それに宗教が該当はしないという事である。


 無論、カルト宗教を含めると話はややこしくなる。そこは切り離して考えたい、それが出来れば1番簡単なのだけれど不可能に近い。危険なものと良いものを態々区別するだけの労を払うなら全てを捨ててしまった方が楽であるという随分と効率を求める時代になったと思う。それくらいの余裕が無いという事かも知れないが。


 宗教はやはり人生において余計なものではあるとも思う。


 人生の一本道をまっすぐに進んでいる時に傍目に映る濁った風景の一部に見えるだろう。踏み込むのも、それについて考える事も、実際問題今の世の中にとっては時間の無駄ととられても仕方がないだろう。


 信仰と宗教。私はこの2つにはよく考えなければいけない違いがあると何度か述べた。


 今の化学の時代に、マクロもミクロも目にする事が出来るこの時代に、神の存在というものを盲信して、その何かの為に生きている間の行動を整理しようとする。


 宗教とはこれである。


 対して信仰とはその生きている間の行動の部分だけを指すのだと私は思う。


 宗教は何かの対象物を、信仰を元にして体系化したものであると述べた。対して、信仰は対象物を信じ仰ぐ事であると述べた。


 信じ仰ぐ事。それぞれの宗教者が神を信じ、仰いだ末に行っている事こそが信仰という事になるだろう。


 であれば、信仰とは宗教でいうところの戒律やルール、行動、理念。そういった物理的な宗教者が起こす行動や脳内に起こる電気信号による性格の浮き彫りこそが信仰というものの形なのではないだろうか。


 ただし、これは何かで括られていなければ、認識し難いものなのである。その者の行動が何から発しているのかを理解する事が出来なければ、それを理解する事は難しい。


 ある人から受けた優しさに対して、自分も相応の優しさを返す事が出来るだろうか。一度のそれが自分の一生を他人への行動への律しに繋がるとは到底思えない。


 改めて、宗教とは信仰を体系化したものであると述べた。


 宗教とはつまり、信仰を先のものと定義した場合、行動の体系化、意識の体系化という事が出来るだろう。


 何故優しいのかと問われた時、神がそうする事を望んでいるから。とそういうと随分と宗教感が強いけれど、印象を宗教に結びつける事が出来る。


 良くも悪くもだけれど。


 今の状態は情報によって更に大きくまとまり体系化された宗教という括りが実際的な行動に呼応する形で悪い印象を持っているのである。


 故に、三大宗教と呼ばれるそれらの戒律、教えというのは自分への行動、他人への行動を含めて客観的に良いものであるのはおよそ多くの人が思う通りである。


 私は宗教2世だ。宗教名と信仰を持って生きている。仰ぐ神の名前も教えられている。私は宗教のあり様を考える。


 宗教は神が残した逸話的な行動を信じるものでは無いと思う。それを信じ、仰いでいる人間が今どういった行動をとっているのかというのが宗教の全てであるのだ。


 宗教から信仰を覗くのはそれを純粋に観察出来るとは思えない。信仰とはもっと生活に親しみ、それが信仰であるかすら分からない行動の事を指すのである。そして、それを理解し行動する。体系化された形ある宗教が増える事を私は期待する。

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