宇宙クラゲの悲歌(エレジー)
地球連邦政府の無人探査機が、うみへび座十番星近方で妙な飛行物体と遭遇した。円錐形の中心部から羽のようなものが三枚伸びていて、まるで太陽電池パネルを伸ばした人工の物体に見えた。その物体の軌道を調べたところ、うみへび座十番星の第二惑星から飛来したものである可能性が高いと分かった。該当する宙域を飛行する宇宙船や探査機が調べられたが該当するものは無かった。撮影されたその物体も記録にないものであった。元よりまだ人類はうみへび座十番星へ赴いたことはなく、探査機一つ送り込んではいないはずだった。