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首相官邸 4

 ノックとともに、次官の声が栗夫に聞こえた。


「いいぞ。」


 PCの画面を覗き込んでいた栗夫は、顔を上げることもしない。


「失礼します。先日の突入についてなんですが、隊員に聞き取りを行ったところ、六名がレベルアップしたと言っていまして。」


 入ってきた次官は、苦笑気味に話し出す。


「一応、簡単にできる体力測定を行いましたが、確かに全ての数値で以前の値からは上回っていますが、誤差と言われると否定できない値でもありまして、これをレベルアップと確定していいのかと。」


 栗夫は、苦笑している次官をちらりと見ると、何事もなし、とPCを覗き込んでいる。


「レベルアップとはな、本当にゲームだな。」


 当たり前のように受け入れる栗夫に、目を少し大きくする次官。


「確定でいいのですか?」


「私としては、むしろ、そうでない方がおかしく見えるとこまできている。既にな。」


 自身の常識をいろいろ諦めたような、ため息と苦笑で栗夫は、両肘をテーブルについた。


「、、。そうですね。では、報告書には、レベルアップが確認された、と記載します。」


「あぁ、そうしてくれ。それで、落とし物、、クリスタル、ダンジョンクリスタルでいいだろ。そっちはどのくらいの時間がかかるかわかるか?」


「破壊の許可がありますので、多少は早くなると思いますが、今のところはわかりません。素材の強度試験を兼ねて二つを潰しましたが、機械的な強度はあまりなく、砕くのは簡単だったそうです。」


「もう潰したのか。」


「はい。非破壊で調べるよりかなり早いですし、後回しにするよりは、早い方がいいでしょうから。」


「それにしても、レベルアップは、ゲームと思えばわかるが、クリスタルは、報酬としてなんの意味があるんだ?強度がなければ、新素材にもなれない。」


「わかりません。」


「急がせてくれ。」


「わかりました。」


 部屋に残った栗夫は、両肘をテーブルについた状態で呟いた。


「何を考えているんだ、神は。」





 帰り道。


「また破ったな。」


 ゴブリンに引っかかれ、破れた袖口は、外から見るだけなら誤魔化しがききそうだったが、腕を上げた途端に、指差されるのは間違いない状態になっていた。


 手首に巻いた包帯に触らないように、袖口を確認する三下。

 爪の間隔にそって、無理やりに引き裂かれているものの、布の大きな欠損はなさそう見える。

 元の感じに揃えて形を確認する。


 バラバラにならなければ、たぶん大丈夫だろう。


「後で、適当に補修だな。」


 と、腕を下げると、一通り、体を動かす。

 重いと言うより、怠い感覚が伝わる。


 基礎体力も、全く足らないな。


 疲労で回転が遅くなっている思考を、必死にフル回転させるが、そこから思考が進むことはなかった。

読んでいただき、ありがとうございます。

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