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コルデー回想2
年が変わった2日の夜、バスに揺られる。
早朝にターミナル駅に到着する。そこからかつて居住していた駅を目指す。
あと、三か月すると子供料金で交通手段を使うことができない。
これが最後の里帰りと考えていた。
明日は寝不足で不完全燃焼なるわけにはいかない。
目が冴えている。車内は静かだ。
暖房で暖められたバスの客は数人しかいない。
オレンジ色のライトの下で白雪のSNSを眺める。人差し指でフリックする画像の全てが明るく、楽しさが溢れた写真ばかり現れる。
白雪は、色が白く、ほっそりした手足を持つ。校則の厳しい学校なので、細く柔らかな頭髪は黒い。名前の通りの容姿だ。違いはふっくらしていないで、華奢という部分である。
小学生の頃しか過ごしていない白雪がどうして、わたしを友達としているのか不明だ。明日、実物のわたしと対面したら、友達という区分から追放される恐れがある。
みすぼらしく変わってしまったから。
スマホの画面から笑いかけている白雪に誇らしさと不安を混ぜながら、なんとか眠ろうと窓に背を向けた。