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コルデー回想12
コロナ罹患中
40度あるせいで、病院たらい回しで診察してもらえていません
突き落とした場所の上の階から様子を見る。黄色いテープと幾人の警察官がいる。落ちた男はすでに運び出された様子だ。エスカレータは停止していたので、最寄りの階段から現場を目指す。人垣に紛れ、床をあちこち見渡す。やがて、エスカレーター中程に踏みつけられて歪んだ髪飾りを見つけた。
「!!」
「取りに行くのは無理だよ。そんな目立つことしたら。」
あらかじめ釘を刺されてしまう。未練がましくエスカレーターの中腹を睨む。膝を引かれ仕方なく帰路につこうとした。無言でトボトボ駅に向かう。
落とした男と似ている輩が何人も店内を入ってゆく。思い返すと、警察官を取り巻くように遠目から徒党を組んでいた。群れの絆の強さと言うところだろうか。
わたしは、バスに間に合うかどうかの瀬戸際で、到着の盛り上がりと反してあっさり電車の中で白雪にバイバイをしてひとり旅に戻った。
人殺しをしたかもしれないと言う罪悪感はなく、不完全燃焼な感感が残っている。警察は目撃者を探す素振りもなく、事故の方向で舵取りをしているはずだ。
白雪の害なすものを取り払えたということは良かったと自身に納得させた。




