1日目 中編 知らない世界では道案内に頼りましょう
転移初日中編です。
神様の世界からやっと異世界に着きました。
草原だ。
うん、見事に草原だな。ただ景色を見るだけで日本じゃないってことが実感できるくらいに。
あの神ジジイ、さては面倒臭くなって地上に放り出したな・・・話の途中だったっていうのに。
っていうか、ここどこだよ?
と、俺が疑問に思ったのと、視界に文字が浮かび上がってきたのは同時だった。
『ココハ、かーりがーとニ近イ草原デス。』
「おわっ!」
ステータス画面と同じ―――なのか?なんだこれ?
『私ハすきる道案内デス。』
まさかの道案内イコールGPSだった!?
『GPSデハアリマセン。道案内デス。』
「はいはい、道案内さんね。カーリガートっていうのは何?」
『かーりーノ神殿ヲ中心トシタ町デス。』
「カーリー?」
『ますたーガ婿候補ニナッテイル女神様デス。』
カーリー―――聞いたことがあるような、ないような・・・でも、元の世界の神話の女神と同じ人物―――もとい、同じ神物ってワケでもないだろうし、考えるだけ無駄か。
「つまり・・・俺以外の召喚者はみんなあっちに向かったはずってことだよな。とりあえず合流するかな。」
とりあえず、異世界に一人きりというのは心許ないから、大人と合流したほうがいいだろう。知り合いがいるといいけど。あの道場、道場主の爺さんとその奥さんなら知り合いなんだけどな・・・流石に老夫婦は婿候補にはならないか・・・まあでも、爺さんの弟子にも顔見知り程度の知り合いなら何人かいるし、知り合いじゃない人が転移していたとしても会えさえすれば同郷のよしみで中学生を一人で放り出したりしないだろう。俺が大人ならやらない。後味悪そうだし。せめて大人が一人くらい居た方が床屋開くにも便利だろうし―――っていうか、ぶっちゃけ『スキル:髪結い』がどれだけ機能するかも調べたいから、誰かお試し散髪させてくれそうな相手が欲しい。
『ますたーハ道場ノ関係者デハナイノデこいんヲ餞別ニ貰ッタノデハナイノデスカ?』
字面だけなのに責めれられている感がスゴい。
「いや、不正はしてないからな?」
そう、俺自身は関係者じゃない。だから不正じゃない。道場主の爺さんが昔、親父の剣道の師匠だったってだけ(因みに、音也という名前の名付け親はこの道場の爺さんだ。最も、第一候補は「音吉」。母親の猛反対で音也に落ち着いたらしいから、ほとんど思い出を共有していない母親にこの一点だけは感謝している。音吉って―――もうそれ、歴史上の人物か犬だよ)。チビの頃は親父に付き合ってちょこちょこ年始の挨拶とか顔出してはいたけど入門はしてないし。そもそも親父自体がもう弟子辞めてるしな~。
あ、でも、あれか―――チビの頃、爺さんに遊んでもらってたから剣のスキルが付いてたのか。親父と爺さんには感謝だな~。まあ、俺は奥さんの方に懐いてたんだけど。奥さんの唐揚げが抜群に旨いんだよな~。高校決ったら何年かぶりに挨拶行こうかな。唐揚げ目当てに。
あ、そういえば、俺のコロッケどこいった?コロッケ買いに行った帰りに、道場脇であの白い部屋に飛ばされたんだけど・・・?無いな・・・ちっ、あのクソジジイ!俺のコロッケ返せ!
『デハ、ますたーノ目的地ヲかーりがーとニ設定シマス。』
いかん、完全に今の状況を見失ってたわ。軌道修正ありがとう、道案内さん。
「おっけ、おっけ。道案内は道案内さんがしてくれるんだよね?」
『カシコマリマシタ。ますたーニハ、最初ニすてーたすヲ確認シテオクコトヲおすすめイタシマス。』
いや、ついさっき白い部屋で確認したんだけど。まあ、道案内さんがそう言うなら。
名前 オトヤ・カワバタ(川端音也)
種族 ヒト族(異世界人)
称号 転移者(称号特典:鑑定スキル無しで自己ステータス確認可能)
クラス 理髪外科医
スキル 獲得コインUPLv.1 道案内Lv.1 自動翻訳(理髪外科医語) 髪結いLv.1 外科医術Lv.1 曲刀Lv.2 片手剣Lv.1 両手剣Lv.2 体術Lv.1 日曜大工Lv.2 料理Lv.2 裁縫Lv.1 清掃Lv.2
必殺技 瀉血
装備 カーリー女神婿候補専用スカーフ 理髪外科医の棒
所持コイン 1000
スカーフ?首に巻くアレか・・・?付けてないけどな・・・?
『hgnsuagua:rihagaagvn;arv』
うわ!ステータス画面に道案内さんの文字列が重なって見づらっ。よし、ステータスを一回しまおう。
『ますたーハすかーふヲ腰ニ下ゲテイラッシャイマス。』
おお、読みやすい。じゃなくて。
「え?」
腰に下がっているのは赤い棒と黄色い巾着だけなんだが。あ、これ、巾着じゃないのか・・・紐をほどいたらただの大判スカーフだ。っていうか、赤い棒に黄色いスカーフって・・・随分ビビットだな、あのジジイのセンス・・・
『赤イ棒ハ理髪外科医ノ仕事道具、黄色イすかーふハかーりー女神ヲ崇メル者タチノしんぼるデス。』
え?そうなの?ジジイのセンスじゃないの?
「そういや、気になってたんだけど、理髪外科医が棒なんて何に使うの?」
『瀉血ノ際ニ使用シマス。』
「あー、察し・・・それは見てるだけで痛そうだし、素人がやったらダメなヤツだからパス。町に着いたらハサミ買って練習しよう、そうしよう。っていうか普通、理髪外科医ならカミソリ初期装備じゃないのかよ?」
『黙秘権ヲ行使シマス。』
「カミソリって俺の手持ちのコインで買えるのかな?こっちの世界の相場が分からないんだけど。」
『こいんハ神々ヘノ供物トシテシカ使エマセン。』
俺は目を擦ってみた。ちくせう。やっぱり字面は変わらない。
「え?これ、買い物できるわけじゃないの?」
『あぷらさすノしょっぷデノミ買イ物ヲスルコトガデキマス。』
「アプラサス?」
『ますたーノ世界デ天女ト呼バレテイルものニ近イデス。』
「つまり、理容用のハサミは買えない、と・・・じゃ、コインって何なんだ?天女の店って何が買えるんだ?」
『すてーたすぽいんと、神器ヤ加護ノ付与サレタあいてむ、魔法ヤすきるガ購入デキマス。』
ステータスポイントが買える・・・?ステータス画面にはポイント表示なんて―――とステータス確認をしようとしてまた文字の重なりに頭痛を覚える。
「道案内さんさあ―――これ、なんとかならないの?視界上に文字情報ばっかりで混乱するんだけど。」
『あぷらさすノしょっぷデ、私ヲれべるあっぷサセテ下サレバ、れべる2デ音声情報ニあっぷでーとサレマス。』
よし買おう。すぐ買おう。
「道案内さん、目的地をアプラサスのショップに変更しよう。」
と、俺が言った途端だった。
ぼふん!
大きな音と煙と共に、空中に天女が現れた。
「はああ~い。呼ばれて飛び出てこーんにーちわー!」
天女―――なんだと思う。多分。まあ、美形なんだけど、思ってたのとなんか違う。神秘的な大人の女性のイメージだったんだけど―――アイドル風のチビっ娘が現れてしまった。ビジュアルで判断しちゃいけないんだろうけど、見た目年齢だけで言えば年下感が強い。いや、確かに、どうやって中に浮かんでいるのか分からないヒラヒラ(有名な羽衣ってやつなんだろう)をまとっているし、服装も仏教画や歴史画で見たことあるような古代アジアっぽい衣装と髪型(中三男子にファッションの描写を求めないでくれ)だし―――まあ、天女なんだろうけど。だろうけどさ―――こう・・・発育不足っていうの?大人の女性を期待した俺が悪かったのか・・・?
「ちょっと!アンタ今失礼なこと考えてたでしょ!ありがたいと思いなさいよ!このアタシの初担当に選ばれたんだから!アタシはね、これから伝説の天女になるんだから!」
なるほど、アイドルデビューしたてなのか。初仕事ってことは初心者じゃないか!うっわー、不安だ。と同時に納得だ。本当に発展途上のチビっ娘だったよ・・・
「ちょっと、何とか言いなさいよ!」
なるほど、神様や俺のスキルである道案内さんと違って俺の思考が読めるわけじゃないのか。天女も万能じゃないんだな。
「ええっと・・・買い物をしたいんだけど。」
「分かってるわよ。だからアタシを呼び出したんでしょ?ほらほら、何が欲しいかアプラサス様に言ってごらんなさい!」
「スキル道案内のレベルアップをしたいんだけど、それって幾らかかる?」
「げっ、アンタ特殊スキル持ちなの?まあ、転移者って聞いてるし、そうなのかも。特殊スキルのレベルアップは1レベルに対して1000コインが相場ね。ただ、相性によっては安く買えるわよ。アンタのステータス確認させてくれる?」
ぐいっと手を伸ばしてきて、小さな掌が俺の額に触れた。
「ふむふむ。げっ。理髪外科医って。ハズレじゃん・・・このアタシの偉大なる歴史の始まりを飾る最初の客なのにぃ・・・ちょっとアンタもうこうなったらカーリー様の婿になりなさいよ。アンタを婿に出来たらアタシの評価も・・・ふふふん♪・・・そうねえ、カーリー様の婿候補なら、黒魔法とは相性は悪くないはず。理髪外科医といえば赤、白、青とも相性は良い。アンタ魔法使いになりなさいよ。五属性のうち四属性はお買い得に買えるんだから。そうよ、そうしなさいよ。クラスが理髪外科医だからって、実際のジョブはそれと違うことなんて一般的だし―――まあ、普通、自分のクラスが分かっているヤツなんて少ないものね―――よし、アンタ魔法使いになってカーリー様の婿になるの!負けクラスからのサクセス・ストーリーよ!そしてそれを支える可憐なアプラサス!イケるわ!今年の新人女王はアタシのものよ!」
「1000コインか。今ちょうど1000しかないんだよな。コインってどうやって稼げるの?」
『戦闘経験ヤくえすとノ達成ニヨッテ獲得デキマス。』
「戦闘か・・・いわゆる魔物退治みたいなことか?俺、戦闘経験とかないぞ。」
「ちょっと、なんでアタシを無視して独り言いってんのよ!」
ああ、道案内さんの字幕は俺にしか見えてないのか。まあいい、今は道案内さんと話そう。
「ねえ道案内さん、俺の世界だとRPGはまずスライム退治って感じなんだけど、こっちの世界じゃどうなの?」
『すらいむ、ごぶりんナド、ますたーガ御存知ノもんすたーハ大体生息シテイマス。もんすたーハ討伐対象デスノデ、ドノヨウナ国デアッテモもんすたー退治デ恨マレルコトハナイデショウ。こいんハ対人戦ノ方ガ稼ゲマスガ、ますたーハ所属スル国ヤ団体ガ決ッテイマセンノデ、対人戦ニ挑ムト厄介事ニ発展スル恐レガアリマス。』
「こっわ。対人戦なんて出来る心の準備なんて無いよ・・・スライムってどこで狩れるの?」
『コノ草原ニモ発生シマス。かーりがーとカラ少シ離レタ方ガ遭遇率ハ高クナリマス。』
なるほどね、モンスターだって女神様が怖いってことか。
『否定シマセン。すらいむハ1体1こいんガ相場デス。』
「稼げねーっ。」
「ちょっとさっきからなんなのよ!アタシを呼び出したのはアンタでしょ!何?アンタ、コインを稼ぎたいの?」
「とりあえずスライム退治・・・?に役立つ安いやつある?」
「そうね、アンタ理髪外科医でしょ?棒術のスキルなんてどう?棒装備済みだし。っていうかなんだって剃刀持ってないのよ、どうやって理髪外科医やってくつもりだったのよ。」
「知るかよ、神ジジイに訊けよ。」
「はあ?神ジジイ~?って―――ブラフマー様のことじゃないでしょうね。うっわ、なんて不敬なの!アンタ問題起こしたりしないでよ?初担当客が不敬罪なんてアリエナイ!」
あのクソジジイ、ブラフマーというのか。
「とりあえず、棒術のスキルは初回サービスでプレゼントしてあげる。だから、イイ男になってカーリー様のハートをゲットするのよ!あの激ヤバ女神にとってイイ男ってどんなのか分かんないけど!」
初回サービス・・・そんなオイシイ特典が!それなら・・・
「ねえ天女様―――俺の初回利用サービスで棒術スキルを頂けるとして―――天女様の記念すべき初担当相手ですよね、俺?天女様にとっての初回記念サービスは、やっぱり俺の初回記念サービスより素敵なスキルが貰えるんですよね?楽しみだな~。なんたってこれから伝説になる天女様の初サービスだもんな~。」
『ますたー、論理ノ破綻ヲ確認シマシタ。』
黙ってて道案内さん。それは俺が一番良く分かってるから。
「そりゃそうよ!このアタシの記念すべき最初のギフトなんだからっ。アタシ知ってるのよ、アンタたち転移者が欲しがるスキルがコレってこと!」
アプラサスがパチン!パチン!と二回指を鳴らすと、俺の身体が光に包まれた。
確認してみるか。ステータス!
名前 オトヤ・カワバタ(川端音也)
種族 ヒト族(異世界人)
称号 転移者
クラス 理髪外科医
ジョブ 無職
HP 31/31 MP 41/58 攻撃力25(+11) 防御力1 賢さ36 素早さ79 運2
スキル 獲得コインUPLv.1 道案内Lv.1 鑑定Lv.1 自動翻訳(理髪外科医語) 髪結いLv.1 外科医術Lv.1 曲刀Lv.2 片手剣Lv.1 両手剣Lv.2 棒術Lv.1 体術Lv.1 日曜大工Lv.2 料理Lv.2 裁縫Lv.1 清掃Lv.2
必殺技 瀉血
装備 カーリー女神婿候補専用スカーフ(効果:カーリー女神婿候補身分証、攻撃力補正+10、???) 理髪外科医の棒(効果:理髪外科医身分証、???、棒術スキル有の場合のみ攻撃力+1)
所持コイン 1000
おお!『鑑定』キターーーーーー!やっぱり異世界転移と言えばコレだよな。チビッ娘アプラサスがおバカ―――げふんげふん―――ちょろ―――げふんげふん―――太っ腹で本当に良かった。
『ますたー、悪イ顔ヲサレテイマス。』
そんなことより、俺のステータス偏り過ぎじゃね?このステータス値が高いかどうかもよく分からないけど―――まあ、巻き込まれ事故った時点で運は無いって知ってたけど、防御力のなさよ・・・紙だろ、もはや。って―――俺、俺に殴られたら一撃で死ぬんじゃ・・・
ごめん、道案内さん、俺・・・道案内さんのレベルアップより先に、俺の紙装甲をどうにかさせてくれ。防御力上げないと元の世界に帰る前に死ぬわコレ。
『n@a48aqgf:agbar』
あー、待って待って、『鑑定』オフるから。はいどーぞ。
『すらいむノ平均攻撃力ハ3、会心ノ一撃デ15ノだめーじデス。』
「アプラサス様~、ステータス・ポイントっておいくらなんですかね?」
「100超えるまでは1ポイント10コイン、100超えたら1ポイント50コイン、150超えたら100コインね。」
「防御力15ポイント下さい。」
せめてスライムに一撃でやられるのだけは避けたい。
「まいどあり~。じゃ、150コイン貰うわね~。」
ちゃりんちゃりんちゃりん、と脳内で音がする。これで所持コインは850か。
「他にご注文は?」
「カタログとかないの?」
買い物するにも情報がないとな。スキル・ツリーとか存在してそうだし。
「通販派なの?この美貌に会いたくないの?意味わかんないんだけど?」
あ、めんどくさい。
「ええっと・・・買い物をしないのにお呼びだてするのはご迷惑かな、と思いながらも、できれば毎日アプラサス様のことを考えて過ごしたいので、カタログなんてあれば次にお会いした時にこの商品を買おうかな~なんて考えながら毎日過ごせるかな~なんて・・・」
『ますたー・・・』
字幕やめい!
「ふうん、そうなんだ~、そうよね~、そうなっちゃうわよね~・・・いいわよ、はいどーぞ。」
また、光に包まれる。
『あぷらさす・しょっぷノカタログヲ吸収シマシタ。ますたーノ御命令ニヨリ何時デモ閲覧可能デス。』
おお、道案内さんが優秀だ。
「じゃあ、精進するのよ!なんたって、アンタにアタシの成績がかかってるんだから!じゃーねっ!」
ぼふん!
現れた時と同じように唐突に消えた。
「なあ、天女ってもうちょっと優雅に天に帰っていくものなんじゃないのかよ・・・」
そういえば―――俺、カミソリかハサミを買いたかっただけだったはずなんだけど。
「道案内さん、金稼ぐにはどうしたら?」
『町デノ買イ物ニハ、ソノ国ノ通貨ガ必要デス。かーりがーとハまがだ国ナノデ通貨ハまがだデス。通貨ヲ得ルニハ都市部デ賃金労働ヲ行ウカ、売買ニヨッテ獲得デキマス。すらいむノ討伐報酬ハ、1体10まがだデス。』
つまり、モンスターを倒せばコインもマガダも手に入る、と。じゃあ、ひとまず、スライム狩ろう。異世界転移といえば最初はスライムとの対決だよな。とはいえ、腹減ったな・・・俺のコロッケ・・・っていうか、ぶっちゃけ、今、何時よ?宿屋って幾らよ?
『宿代ハ最下層ノ宿ノ素泊マリデ3000まがだ程度デス。現在、午後6時。町ノ門ハ午後9時ニ閉門シマス。』
つまり、300体のスライムを狩らないと野宿だと?しかも3時間以内にその数を狩って9時前までに町に入らないといけないと?無理ゲーだろ・・・
『ますたー。薬草ヲ採取シテ販売サレテハイカガデスカ。ますたーニハ鑑定すきるガアリマス。』
「道案内さん賢い!よし、鑑定っと・・・」
おお!草原の中にピコピコと文字が!
『薬草』、『薬草』、『薬草』・・・
おお!無理ゲーからの作業ゲーだ!って、俺、両手に抱えて町に行くのか。これ、どれくらい採れば宿代になるのかな?あ、待って、鑑定オフるから!さあどうぞ!
『薬草ノ買取額ハ1株50まがだデス。』
「いや、60株は抱えられないって・・・いいとこ10株でしょ。鞄・・・いや、風呂敷は?いくらで売ってるものなんだ?」
『大判ノ布ナラ、最モ安イモノデ1000まがだ程度かと。』
「おっけ、おっけ。二往復して布を買おう。そして宿代を稼ごう。できればメシ代も稼ごう!」
スライム退治なんてしてる場合じゃなかった・・・
誤字脱字報告いただけますと助かります。
ちなみに「〇〇ずつ」の「zutsu」部分が「づつ」になっているのだけは仕様です。