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祓魔師の話  作者: かめさん
第七章 エルフの森と泉の悪魔
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キャロルと帰り道

今回は短めです。申し訳ありません。

 話すことが無くなり、再び沈黙が訪れたところで、キャロルが、急に立ち上がった。


「長居しすぎてしまいましたわ。そろそろ帰らないと」


「確かにそろそろ時間だね」


 祭司様が、外の様子を伺いながらおっしゃる。キャロルは他の聖女と一緒に来ていたのだ、もし待たせていたら大変だ。


「僕が送っていきますよ」


「ごめんなさい。ありがとうございます」


 彼女はエルフの方を向く。


「難しい話が多かったけど、楽しかったわ。私、時々ここで皆と歌っているの。今度は、二日後のファイペルの日、九回鐘が鳴る時間(午後三時頃、九時課のこと)のグリフに来る予定だから、もしまだ街にいたら、見に来て下さいな。折角お祖父様のご友人に会えたのですもの」


「承知した。約束しよう」


 そう言ったハルディアの瞳は、孫の顔を見るお爺さんの様だった。



   ***



 キャロルを送っていく時、河沿いの道を歩いた。柳の木が揺れている。


「ちゃんとお話をしたのは、ここが初めてでしたね」


 懐かしい。あの時、彼女は自分の歌について、悩んでいた。もしかしたら、あの時、セイレーンにとり憑かれていたのだろうか。水辺に棲む、精霊に。その時の彼女は、薄気味悪くもあり、少し、妖艶でもあっ

た。今の可憐な雰囲気とは全然違った。


 ふと、手に温かいものが触れる。彼女が僕の手を握った。


「さっきも言ったけど、送ってくれてありがとう」


 そういう彼女は頬を林檎のように染め、目を伏せている。先ほどまで何ともなかったのに。具合が悪くなったのだろうか。


「大丈夫ですか。もしかして、熱でもあるんじゃ」


「え。あらもう、やだ、マルクさんったら。なんともないですよ」


 彼女は片手を頬に当てて、はにかみながら、握っていた手をほどき、僕の背中を叩く。そういえば、あまり同年代の女性と手を繋いだことなかったなあ。なんだが僕も恥ずかしくなってきて、体中が火照ってくる

のを感じた。


 以前キャロルに会った時のお話は、第3章『聖女と歌姫』です。興味のある方はご覧になってください。

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