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将棋ディストピア  作者: ねこ
将棋道場
8/14

一服

挿絵(By みてみん)

 男は不思議なものをみるかのようにこちらのほうを覗く。

 何かを少し考え、残念そうに大きく息を吐きだし、そして尋ねる。

「一服してもいいか。」

 男は机の脇にあった灰皿を取り出し、煙草に火をつけた。

 喉の渇きを思い出した僕は、部屋の隅の冷蔵庫に移動し飲み物を物色する。

 酒ばかりしかない冷蔵庫から烏龍茶のペットボトルを取り出し、勝手に飲む。


「名前は。」

 男が尋ねると、僕はペットボトルを置き、

「伊藤和人です。」

「時に、和人。来月将棋大会があるのを知っているか。」 

 煙を部屋の中に充満させながら、男はそう問うと、部屋の戸棚から封筒を取り出す。

 封筒を開けると、令和一武闘会とタイトルに書かれた将棋大会の招待状が出てきた。

 賞金100万円と書かれている。

 大会を開催するだけでも公安にマークされるかもしれないのに、誰がそんな大金を用意しているんだろう。


 招待状を僕に見せると、男は封筒にまた招待状をしまい、机の上に置いた。

 「もってけ。」

 僕に初めて見せる楽しそうな顔でそういうと、男は煙草の火を灰皿に押し付けた。

 そして将棋盤の上の角を手に持ち、赤文字で書かれた駒を動かした。

 

 


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