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異世界転生!? いやその前にクソ女神をどうにして欲しいんだが

作者: 藤原

「これが女神の愛とでもいうのか。ふざけんなよ! 何が女神の愛だ。ぶっ飛ばすぞ! ナメた真似しやがってあのクソ女」


 俺がここまで口汚く罵るのには当然ながらきちんとした理由がある。と、それを語る前にまずは目の前の状況を共感してほしい。


 現在、目の前に見えますのは訳の分からない外見をした熊のようなパンダのような……名付けるなら熊パンがいます。そしてその熊パンは俺こと、糸井翔太に向かって走ってきているのです。

 皆さま、どうやら人間は本当に修羅場になると狼狽するのではなく、落ち着いて何も感じない無の領域に入ってしまうようです。


 おふざけを込めた現状解説はここら辺にしておいてこの状況を打開しなければ俺は死を迎える。

 死を恐れることはないと言うある高名なギリシアの哲学者もいるが、俺はそんな人のように高尚な考え方をすることはできない生に執着した醜くちっぽけな一人の人間。

 だが、それの何が悪い。ーー話が逸れた。今はこんな無駄なことをしている場合ではない。俺は今この瞬間にも生きるために走っているが、そう続くものではない。何か考えないと確実にやられる。

 だれかいいアイディアないてすか? 良い案には僕の財布に入っている全額あげます(ブラッ●サンダー(店にもよるが30円前後)が350個買えるくらい)。


 また話が逸れた。こんなくだらないこと考えてる間にも俺は疲れて息は上がってきてるし、熊パンはゆるくない笑顔をこちらに向けてきている、ように感じる。そもそも走ってるから後ろなんか向けるわけもなくあくまでも憶測の域を出ない。ただ一つ確実なのは足音的に距離が狭まってきているということだけ。


 こんな時、あの女神(自称)はあんたバカね〜 などとぬかすにちがいない。腹が立ってしょうがない。

 いや、あの女神(自称)は俺に何か力をくれたとか何とか言ってたぞ。その力は確か、


「俺が光になれること」


 どこの海賊漫画に出てくる大将だろうか。いや、似ていない。似ていないぞ。これは確定事項。うん、きっとそうだ。


「おい、作者これ絶対に意図的に寄せただろ! もうこんなことすんな。今時著作権とかうるさいんだから」


 知るかボケ著作権に引っかからないようにはしている。あとメタ的なこと言うのはやめろ! という作者の声が俺の脳裏に聞こえてきたのは秘密の話。


 で、光となれるというのなら、光のように早く移動できるのでは? よしやろう。


 俺は力を込めた。力を込めて結果として光にはなれたのだが……


「痛い! 痛い! 痛い! 死ぬ死ぬ死ぬ死んじまう!」


 移動したら身体中に激痛が走って何もできなかった。役立たずだ。ちなみな能力を止めたら熊パンはいなくなっていたというか、知らないところにいた。

 そして自分の体を見てみると、血だらけだった。全身に擦り傷を負ったように赤くなって、ところどころ体全体が捻られたのではないかと思うほどに皮膚に跡が付いていた。


「理解不能。おい女神(自称)! 答えろよ」


 聴いても答えるのことなど絶対にないやつだが、言わずにはいられないが大きな怪我もなく死ぬこともなかった。それは喜ぶべきことだろう。


 さてここでここまでに起こったことを話しておく。


 俺は日曜日に街に繰り出していた。ある週刊漫画で四月ごろにアニメが放映されて大人気となった鬼狩り達のあの作品の新刊が出るということで鼻歌を歌いながらだ。

 そんな折に事件は起こった。目の前にトラックが……




 来なかったが、代わりに自転車がきた。自転車は何気なく走っていて、俺と接触もしなかったが、俺は鼻歌交じりだったから、近づいてきた自転車に驚いでしまい田んぼに頭から突っ込んだのだ。


 逆さまで田んぼにはまり、抜け出すこともできず、水もあり息もできない。そうこうしているうちに意識がなくなった。


 どうよこれ。最悪としか言いようがないよね。俺の死因は田んぼにはまって窒息死しましたって親にも笑わそう。恥ずかしいったらありゃしない。


 そしたらヤツが現れたんだ。


「悲しい死者よ。あなたは今しがた哀れな臨終を迎えました。私からチャンスを与えます」


「チャンス?」


 そもそもチャンス云々の前に存在そのものが怪しかった。だってちょっと想像してくれ。目の前に高校生くらいの姉ちゃんがゴスロリの服着てるんだ。そしてそんな清楚な言葉を吐くんだもの。ちょっと疑ってもしょうがない。


「ちょっとこの、高貴な私の話ん聞いてるの?」


「あ、ごめんなさい。聞いていませんでした」


「ったく、この神域において序列第5位の私の、第5位という高貴な女神の話を聞かないなんて、近頃の人間は躾がなってないわねえ」


 やれやれと呆れている。話を聞いていなかった俺が原因なのは分かるが、なんかカチンとくる言い方だな。


「もう一度言います。あなた、神の愛を信じてみませんか?」


「はっきり言ってやりましょう。胡散臭いですね」


「な…… 私が胡散臭い?」


「はい胡散臭いです」


 案の定の反応といった所だろうか。


「何よ! 私が胡散臭いっていうの! ありえない、ありえないわー。序列5位よ5位! そんな私を侮辱するなんてなんて、低劣な人間なの……」


 本当にカチンとくる言い方だな。なんて言い返してやろうか。


「では聞きます。あなたの属する序列は何柱で構成されているのですか?」


「えっ……えっとそのお……」


 言葉に詰まるということはそういうことだろう。やけに数字でマウント取ってきたから不思議だったんだ。まるで、それ以外に誇りのない人みたいで悲しい人のようだ。


「やめなさいよお! その悲しい人を見る目を。悲しくなってくるじゃない! そうよ、私は所詮仕事のできない女神ですよ。中二病でコミュ障だし加えていうなら、口も悪いしダメダメです」


 あらら、なんだか聞いていないことまで言ってる。こりゃ、自暴自棄になってんな。聞いておいてなんだけど、なんか本当にかわいそうになってきた。神なのに……


「ううぅ、私女神なのにい」


「いや、涙目になられてもね。自分で巻いた種なので同情はできませんよ」


「なによ! 女神を馬鹿にするのね! いいわ、完全に私の趣味で、力を与えてなんの説明もせずに送ってあげる!!」


「ちょ……流石に力の説明くらいしやがれ!」


 いやいやいや、流石に少しくらい説明してくれないとダメだろうに。そうしないときっとこの女神の上役にきつーく灸を据えられるだろう。

 というより、説明してくれないと俺の命が危ない気がしてならない。


「ふんだ! あんたなんかに絶対に説明なんかしてやらないと思ったけど、規則だから少しは言ってあげる。

 あなたに与えた力は『光』であなたが考える光のイメージ通りになるの。あとは使ってみなさい。それじゃあねバイバイ」


 そう女神はいうと、どこからかボタンを取り出してこれ見よがしにポチっと押した。当然ながら俺はそれよりももっと説明しろと抗議したのだが、女神は残念もう無理と言って仰け反って高笑いしていた。

 つくづく嫌なヤツだ。と、その時床に突然穴が空いて俺はそこに吸い込まれるように、垂直落下をした。


 ーーというのが、ここまでにあったことだ。そりゃあの女神に文句の一つや二つ言いたくもなる。


「さて、ここからどうするか……」


 口に出したくなるのも仕方がない。だって森の中でどう動いていい変わらないんだよ!!


 あ、光になれる……けどそれはやめたほうがいいかな。とりあえず街に向かうことにしよう。多分待ちくらいはあるだろう。チャンス云々言ってたし、こんな力があるってことは普通の世界と思わないほうがいい。


「おいクソ女神、俺は生きるからな。その高笑いした姿勢は俺が行くまで崩すなよ。絶対にギャフンと言わせてやる」


 こうして俺の楽しい人生は始まった。 

ちょっとふざけますみました。この路線は僕は初めて書きますが、書いていて楽しいかもしれないですね。

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