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君と千の鳥  作者: 耀
43/46

4-11

 それと同時に

 「颯君今光っている」

 興奮して嬉しそうなミイナの声が聞こえてきた。

 「こっちからも見えます、行きます」

 すぐにミイナのもとに行く。

 颯がついて少しすると光はまた弱まってしまった。

 「ここら辺がより近いということですか?」

 「分からないわ、でもこれまでにはこんなことはなかったから何かあるのだとは思う」

 先ほどとは違い、ミイナは冷静な様子だった。その興奮を内に抑えようとしているだけなのかもしれないが。

 ミイナのその様子を見て颯はもう少しだけこの世界にいようと思った。

 「じゃあ、山に向かってと海に向かってと分かれて探しますか」

 「いいえ、多分海側に向かってだと思うわ」

 「何故ですか」

 「もしこの光が姉さんが近くにいることを示しているのだとしたら、私たちは今動いていないのに光が弱まったということは、海の中で氷漬けの状態で流されていると思うの」

 落ち着いて冷静に考えることもできるようになったらしい。その仮説なら今の上体にも説明がつくし、ミイナが夏に行ったときは山により近いところにいたのだろう。

 でもその仮説が正しいとするならば。颯が今思ったことを言うべきかどうか迷っていると、

 「そう考えると、この下ね」

 と自分の立っている下を指さしながら言う。

 颯もそれを考えていた。だが、それはすなわち今の装備では見つけることは事実上不可能であることを示していた。

 「妹さんは何か作っていないんですか」

 颯は努めて明るく言う。

 「ないわ、今回コトナはバイクで手いっぱいだったし、その可能性には至らなかったし」

 残念そうにそうミイナは言うが、よし、と気合を入れると手で掘り始めた。

 「やめてください」

 颯はその手を掴んで止める。

 「何で止めるの? この下にいるんだよ」

 「もう時間です」

 颯は時計を見せる。実際に15分以上たっていた。だがここでおとなしく帰るようならここまでに帰っているはずである。颯にはミイナがすんなりと従わないという確信めいたものがあった。


本日も読んでいただきありがとうございます。

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