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君と千の鳥  作者: 耀
28/46

3-1

 トレーニングをミイナと続けて数週間が経った。学校はもう自宅学習期間に入っているので、颯とミイナは朝から公園だけでなく、大学の敷地内のトレーニングセンターを使ったトレーニングもしている。

 颯自身の身体にもトレーニングによる変化が出始めたように思う。

まず、最近寒さに強くなったように思う。筋肉が熱を貯めるのは本当だったんだなと颯は思った。筋肉痛になることもなくなってきていた。いつもの公園の池の周りのコースを走るたびに出る足音も力強いものに変わってきている。


 そして今、今日の分の大学でのトレーニングも終わり、二人はまたいつもの公園へと戻ってきていた。

 改めて二人でルイミを目指すと決めた日から、颯はミイナの目を見て話していてもそんなに緊張しないようになっていた。

 「ミイナさん、いつ頃ルイミに行くんですか、もう二月に入ってしまいましたが?」

 「そうね、あんまり遅いと突然暖かい日が続くかもしれないわね」

 春は確実に近づいてきている、ミイナの言葉が現実になる日もそう遠いことではないはずだ。

 「今年の寒さのピークはあと半月ほどみたいですよ」

 朝、天気予報士が言っていたことをそのままミイナに伝える。

 「じゃあ、一〇日後くらいにしようか?」

 「僕は卒業式の間までならいつでも大丈夫ですよ」

 自宅学習期間は長い、次に登校する時にはもうすっかり暖かさの中に寒さがある時期になって、ルイミの氷も薄くなっているだろう。

 「うん、じゃあ一〇日後ね」

 ミイナが明るい調子で言って公園の出口へと向かう。ミイナがバイクにまたがりかえるのをいつも通り見送ってから颯も家にと帰った。


 翌日。今日は大学にはいかず、公園でのみトレーニングをすることになった。日程も決まり颯の中でいよいよ行くという気持ちが高まってきた。走る足取りにもさらに力が入る。颯も少しはましになったと思ったが、ミイナはやはり速い。今も颯の前を上体を揺らさずに一定のペースで走り続けている。

 その日も腹筋と腕立て伏せまで終わり、またいつものように二人でルイミの方を見ていた。一か月前までは行くなんて思いもしなかったあの白い壁に9日後に行くのである。


本日も読んでいただきありがとうございます。3章まで来れました。応援よろしくお願いします。

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