2-12
「そう、二人がそれぞれの道を選んだ夢」
「だから夏にルイミ山に行ったんですか」
「そうみんなで探した方がいいと思って、勝手なことに巻き込んだとは思う、でも」
その言葉を颯が引き継ぐ。
「どうしても見つけたかったと」
「そう、祖先がルイミに挑戦したことは確かよ、でも、今になっても見つかったという記録は残っていない。あんな寒い中でずっと置いておくのはちょっとね、妹としてはね」
この妹というのは祖先のことを言っているのだろう。
そこまで本気なら、どうして2年の夏になるまで考古研のメンバーとの衝突がおきなかったのだろうか。一年の時に分かれていても不思議ではないはずである。
颯の疑問がまた顔に出ていたのか、
「一年の頃は他の地域にいるかもしれないと思って調べたわ、でもそれっぽい話や物は見つからなかったの」
とミイナは答えを口にした。それでルイミしかないという結論になったのかと颯は思った。
「レヴィン側にはいなかったのですか?」
「王国の力を持ってしても見つけられなかったと聞いているわ」
ということはその二人はやはり山を越えてきたのであろう。
ここまでの話を聞いて、颯はやはりルイミに行くのを断ろうと考えた。自分には、ミイナのようなルイミに対するそこまでの思いはないし、動機の半分程度は何となくだし、残りの半分はミイナに近づきたいといういい加減なものである。まあ、自分が新しい歴史の発見者になれるかも知れないという思いが新たに出てきたため、その気持ちがどこまで膨らむものであるかが問題ではあるが。
そんな自分がついていっても足手まといになるだけだろう。話すなら今しかないと颯は思った。
「ミイナさん、すいません実は僕今ルイミに行きたいと本気では思ってないです」
その言葉を聞いて、ミイナは微笑むと、
「そうだったの」
と、静かに言った。
「まあ、でも薄々分かってはいたわ、何としてでもルイミに行きたいという熱が感じられなかったから」
颯は気付かれていた恥ずかしさで顔が熱くなっていくのが分かった。
「でも、ついてきてくれるというあなたの言葉につい甘えてしまったわ、ごめんなさい」
そう言ってミイナは頭を下げる。
「いえ、こちらもすいません」
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