表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と千の鳥  作者: 耀
22/46

2-9

 「でも颯君、残念ながらここは考古研ではないんだ、つまり非公式なんだよ、ここの部室もいわば不法占拠だ、そんなところにいたら君まで大学から目をつけられるかもしれないよ?」

 それに、とさらにサンは続ける。

 「ルイミに興味があるといっても冬じゃないとダメなわけではないだろう、夏なら船で行くこともできるよ」

 「颯は冬に行きたいのよね」

 颯としてはどうしても冬に行きたいというわけではないのだが、ミイナの祈るような瞳を見て、話を合わせることにした。

 「できれば冬ですかね」

 颯はこの時点で既にミイナに対して惚れていたのである。

 また、実際この退屈な時期を壊すいいイベントになるだろうと思ったのも事実である。

 「やっぱり、信じていたわ」

 そう言うと、ミイナは颯の手を握り

 「改めてよろしくね、颯」

 じっと見つめて言われるのでやはり恥ずかしかったが、ミイナの手は想像通りに柔らかかったという感想が浮かんだ。

 「ところで」

 と、颯は先ほどからの疑問を口にする。

 「ここって考古研じゃないんですか」

 「考古研よ」

 「いや違う」

 二人の先輩の声が重なった。

 「サン先輩お願いします」

 颯はサンに向かって促した。ミイナが、えっと、いう顔をする。だが今までの様子からするとミイナよりもサンに任せた方が正確な情報が得られるだろう。

 うん、と頷いてサンは話し始めた。

 「ここは、考古研じゃないよ、本当の考古研はあっち」

 サンは颯と一緒に部屋を出て奥の方にある扉を指さす。そこには考古学研究部とのプレートがかかっていた。

 それを見て再び部屋にと戻る。

 「本当の考古研、いや考古研はルイミだけではなくこのリミストシアの様々な歴史を研究する部活なんだよ、そしてもともとはそこのミイナもうちの一員だったんだ。だが彼女はルイミにしか興味がないみたいでね」

 そう語るサンの表情は少し寂しそうだった。

本日も読んでいただきありがとうございます。毎日21時更新中です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ