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本当にあの白い世界に行くのだという実感はまだあまり湧いては来ないが、一か月もしないうちにあそこに行くことになるのである。
というより、彼女の目的は何なのであろうか。前にあった時はどうしても行きたいという意思は伝わってきたが、何故かについては具体的な理由はなかったように颯は思う。それの颯を誘ってきた理由も分からない。いくら彼女の周りにいる人たちがルイミに興味がなくても、興味があると言っただけの初対面の颯を一緒に行く相手に選んだりするだろうか。
考え始めると疑問は様々に出始めるが、考えても分からないので、颯は公園を後にした。体にはまだ運動した後の熱が残っていた。
また、ミイナに顔に触れられたことを思い出すと頬も熱くなってくる。
次の日も学校は昼前に終わり、家で着替えをすますと公園に向かった。今日は帰り道には見かけなかったがすれ違ったのだろう、公園の入り口には以前乗せてもらったバイクが置いてあり、ミイナが既に来ていることを示していた。
今日の朝は図書室からは見かけなかったので、彼女が昨日言ったようにいつもは6時ころにこの公園に来ているのだろう。
颯の姿を見つけるとミイナは、
「どう」
と、自らの太ももの方を指さして尋ねてきた。
「筋肉痛です」
颯は正直に答える。筋肉が張っているのが分かる。
「やっぱりね、昨日の走り方でお姉さん、分かっちゃった」
冗談めかした口調でミイナは言う。
昨日走った時は、ミイナは常に颯の前を走っていたはずなのになぜわかるのだろうと颯は疑問に思った。
以前と同じように、その疑問が顔に出ていたのか、ミイナが口を開く。
「足音と呼吸が乱れていたから」
そんなことまで気にする余裕があったのか、いやそもそも足音と呼吸で走り方までわかるものなのかと颯は驚いた。
ミイナの昨日の走りは余裕を残した走りだったのだろう。この女性に追いつくのは、まだまだかかりそうだと颯は思った。
「で、どうする? 今日は休む?」
「いえ、大丈夫です」
颯のその答えに嬉しそうに、よし、とつぶやくと
「でも今日は軽めね」
といい、走り出した。颯もそれについていく。
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