表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と千の鳥  作者: 耀
1/46

1-1

 年が明けて少し経つと、日の出ている時間が長くなっていることに気が付く。わずか20日ほど前までは、街灯の明かりや家から漏れる光程度しか、暗闇の中を埋めるものがなく、点々とした明るさだけがあったが、今では空全体がほのかに明るい。

 そして日が長くなっていく速度に追いつこうと、季節も春に向かっていく。

 空気が暖まるのには時間がかかるそうなので、日が長くなったからと言ってすぐにそれに比例しては暖かくならず少しのラグはあるが、それでも確実に日の光が力強さを取り戻しているように感じる。

 現に、颯の住むこの地域では年明け前を含むこの1カ月半ほどは、毎日のようにニュースで今期最低の気温だと言われるくらいには寒いが、建物の日の当たる場所に行き、椅子にしばらく座っていると暖かさを感じるのである。

 今はそのように条件が揃わないと暖かさを感じることができないが、やがて季節が進むと外にいても寒さの中に暖かさを感じる日が出てきて、それも少し経つと暖かさの中に寒さがある日に変わっていく。そして冬が終わり春になる。

 この地域ではそれは本当に3月の中旬から終わりころの話ではあるが、多分あっという間に過ぎていくのだろう。

 

 年明けの少し明るくなった夕方の時間帯に近所の公園に行き、一周900メートルほどだという池と公園とを分ける階段のようなところに座り、颯はそんなことを考えていた。公園にはこの寒さだというのに人が全くいないというわけではなく近所の小学生が集まってボール遊びなどをしていた。だが、夜が近づいてきているのでもうすぐ帰り始めるだろう。

 颯は朝は学校があるので通り道くらいにしかこの公園を利用しないのであるが、夕方は散歩がてら家から近いここを目的にして来ることが多かった。

 そして今のように、階段のところに座りばガラ、ぼーっと他愛もないことを考えたりするのである。

 それなりには着込んでいるし、池の周りを一周歩いてからだったのでもう少しはこの熱が持つかと思ったが、リミストシアの北に位置するこの地域は山の方から冷たい風が吹きおろしてくるのでそれが顔に当たり痛いし、衣服の隙間から冷気が流れ込んでくるので、どんどん熱が奪われ、あまり長居もできそうになかった。 

 


 


 

初めての投稿です。読んでいただきありがとうございます。ゆっくりで、またつたない文章ですが完成できるように頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ