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永遠の美

作者: 新畑 雨

むかしむかし、ある国に、大層綺麗なお姫様がいた。その美貌は天下一と言われ、国民は皆、彼女に魅了されていた。


彼女はその自分の容姿を大変気に入っていたが、その反面、老いというものを極度に怖がり、永遠の美を欲しがっていた。魔女の薬、竜の涙、人魚の鱗、噂に聞いたものは全て使って、それを手に入れようとしたが、どれも耳にしたような効果は得られなかった。


どんな手を尽くしても得られないことで、ようやく彼女は悟った。永遠の美は存在しないと。


そう悟った彼女は次の日の朝、国民全員に目を潰すことを命じた。


国民皆1人残らず、彼女の言う通りに自分の目を潰した。


これで自分の美は国民の中で永遠のものとなる。彼女は、そのことに満足してしまった。



それから、幾年経ったある日、数年ぶりの嵐が彼女の国を襲った。激しい雨風の音がする中、彼女は外の様子を確かめるべく、窓から外を見た。


そのとき、彼女は悲鳴をあげた。窓に映っている老いて醜くなった自分の姿を見てしまったからである。


錯乱した彼女は自分の目を潰した。しかし、それでは手遅れだったのだ。彼女の頭の中には醜くなった自分の顔しか浮かぶことはなかった。


あの頃の美しかった彼女はもうどこにもいない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大筋は面白いです。 [気になる点] 「自分の目を」という箇所が、一瞬(0、5秒)、お姫様のことかとおもい、いやこれは国民各自のことだと読み直しました(要した時間3秒)。 つまづくその理由は…
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