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少年は狐娘の夢を見る

 目の前には少女が倒れている。

 不慮の事故だった。

 キイチが自転車で下校していたときの事である。

 今しがた晴れていたはずなのに突然の雨。いや、むしろ今も晴れている。

 自宅と学校の丁度真ん中あたりのお地蔵様にさしかかった時だった。

 突然前を横切った影にキイチのブレーキは金切り声をあげたが、間に合わなかった。

「きゃっ……!」

 倒れた少女に駆け寄ったキイチの眼に映ったのは。

「…………耳?」

 目の前に人が死んでいるのに呆気にとられた声を上げてしまった。

 フワフワでツヤツヤとした稲穂の様な耳だった。

 瞬間少女が破裂し、辺りは煙に包まれる。

「ゲホッ、いったいなんなんだよ」

 やっと煙が晴れると少女の死体は忽然となくなっていた。

「狐につままれるってこういう気分なのかな……」

 キイチの頭の中には愛らしい耳を持った少女の事が頭から離れなかった。

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