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グレイズ  作者: 木戸っち
9/10

三人。

「ねぇ~♪」


集まりの場所に向かう道中、

最初に口を開いたのは高橋だった。



「その花束、拓ちゃんに貰ったんだよね~?

なんて言われたの~?」

彼女は興味津々に瞳を光らせている。



「…なにも言われていないわ。」

百合は質問に少し微笑み返す。


「てゆーより、

私達が邪魔しちゃったんだよね?」

宮下は顔色を少し伺う素振りを見せた。


「拓ちゃん、可愛いよね~♪

結構人気あるんだよ?

鈴も拓ちゃん好きだし~」


「あんたは誰でも好きじゃんっ」

「不特定多数だよねっ」


と、谷野と宮下が笑う。



「誰でもじゃないよ~?

鈴はイケメンじゃないと好きくない!」


膨れ顔になる高橋に宮下は飽きれ顔で

「ああ。そう。」と軽く流した。



「白井瀬ちゃんは誰か好きな人いるの~?」


「……え…私は…」


この質問には宮下も谷野も興味がある!

と言う顔をした。



「…期待させて悪いけど、いないわ。」


「ほんとに?じゃあ、

今までに誰かを好きになった事は?」

と宮下が割り込んだ。


「そうね。一回もないわ。」


「気になる人もいないの?」

と谷野も質問する。


「ええ。」


「ふーん…」

宮下は歯切れが悪そうに呟いた。



「も~つまんな~いっ

あっ!ちなみに円はねぇ~…」


「ちょっ!やめてよ!」

宮下は取り乱し、高橋の口を塞ぐ。


「円は、こー見えて

案外チキンなんだよねー♪?」


「煩いわよっ!光!」


耳まで赤くした宮下を

谷野が「ごめんごめん」っとなだめた。



百合はあえてなにも触れずに

三人の後に着いて歩く。




「…場所はどこなの?」


「もーすぐ着くよ!っほら!」



話している間に

いつの間にか到着していた場所は

カラオケボックスだった。



「……カラオケ…」


「大丈夫大丈夫。

無理に歌え!までは言わないから」

嫌そうな百合を察した宮下が答えた。


「この店はね、"辻浦"の家が経営してて

アルコールも飲み放題だからね!」

そう話す谷野の顔は輝いている。


「……でも私達まだ未成年…」


「なにつまんない事言ってんの?

そんなの気にしてる奴なんて

いないってば。」


「………でも…」


「いいやら~早く入ろ~よ~♪」


高橋の言葉に押され

強制的に店内に入った。


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