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グレイズ  作者: 木戸っち
8/10

告白。

「あっ…!お邪魔だった…よね?」


長瀬がなにかを言いかけた時、

下駄箱の脇からひょっこり現れたのは

"宮下 円"だった。



「やーっ…ごっめ~ん!

超空気の読めない奴じゃん!」


「え~なになに~?告白~?

あー拓ちゃんだ~♪可愛い~♪」


「こらっ鈴っ!」


"谷野 光"が"高橋 鈴"の頭を軽く殴る。

痛いよ~っと高橋は頭を隠した。



「そっそんなんじゃないっすよ!」


「え~?白井瀬ちゃん らぶ~??」


高橋は少しちゃかし気味に笑ったが、

谷野の右手に上げられた拳を見て

すぐに小さくなる。



「そんなんじゃない!

ただ俺は…

先輩にお世話になっただけで…」


「あら…そうなの?」


長瀬の言葉に

宮下がつまらなさそうに返した。




手に持っていた花束に力が入った。



"痛い"と思ってしまったのは


すでに首を切り落とされてしまった

白い薔薇の花束か、

張り裂けそうになった隙間が開いた心。



どちらだったのだろう…………




長瀬の視線を感じたが、

百合は視線を合わさず反らした。



「もう話しはいいの?」


百合の手に握られている

小さな花束を見ながら宮下が問う。


その問いに答えたのは百合だった。



「ええ。……あなた達は

私を捕まえに来たんでしょ?」


「人聞き悪いわねぇ~

まぁ。そんな感じだけどっ」

宮下はペロッと舌を出す。


「じゃあ!行きましょっか!

拓ちゃんバイバ~イ♪」


高橋は、百合の腕を組みながら

早く早く!と引っ張った。



「長瀬君……ありがとうね。」


「あ……いえ…」


「元気で。」



百合は、三人に連れられこの場を後にした。






微笑んではいたものの…

彼女の表情は……



「俺…なにやってんだよ……くそっ…」



長瀬の言葉は

彼女に届く事は無かった。


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