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目覚まし時計よりケータイのアラーム音の方が起きれる!!






タイトル関係あるのは最初だけ〜(笑)








「………………ん………あ?」


どうやら長らく寝ていたらしい。


「………………ここあ………どこ………?」

ぼーっと周りの景色を見渡す。

白いカーテンが周囲を囲っていて自分はベッドの上に居る。

ゆっくりと起きあがり、木製の床を踏みしめる。


しっかりした作りで、足の裏に硬質的な固さが跳ね返ってくる。

どうやら保健室らしい。


何故自分がこんなところにいるのか、何故寝ていたのか。

ゆっくりと思い出すように、働かない頭を回し始めた。

「えーと……………………。」



〜回想開始〜



朝、起きる。


遅刻ギリギリ。


チャリで学校へと向かう。


人がいた。


跳ねた。


怒られた。


教室に行く。


死にかける。


爆発。


生き返る。


死にかける。


生き返る。


吐血。


逃げる。


屋上からスカイダイビング。


死にかける。


生き返る。


授業。


戦争。


爆発。


死にかける。


生き返る。


逃走。


投げられる。


気絶。


起きる。


なんやかんやで死にかけながら気絶。


―――現在。



〜はい回想終了〜



「………俺は何回死にかけてるんだぁ!!」

上野 伊吹………そう、彼は鼻血で死にかける人間だったのだ!!ドカーン(効果音)!!

「やかましいっ!!お前に言われなくても作品の『あらすじ』にに書いてあんだろうが!!」

”念のため”

「作者は帰れええぇぇっ!!こんなとこにいないで課題やれや!!明日までだろうが!!」

”あ、ちょっ、あと5分!!あと5分したら死ぬ気でやるからさ!!”

「お前は小学生か!!いや小学生でもしないぞそんな言い訳!!」

”Zzz………Zzz………”

「寝たふりするなああぁぁ!!」

”チッ…これだからオコチャマは………”

「お前が子供だああぁっ!!」


「うるせえええぇ!!!」

隣から政が怒鳴り込んできた。

「………あ、政、居たんだ………。」

「『居たんだ』じゃねえよ!!何!?お前は俺を寝かせない気か!?」

「『寝かせない』??お前、ずっと此処で寝てたのか?」

「当たり前だ!!今何時だと………………。」

政が携帯をポケットから取り出し、時間を確認して、

固まった。

「ん?どうした?」

伊吹も覗き込む。


時間は―――――――――――


午後22時30分過ぎ


「「…なんじぁこりゃあーっ!!」」

伊吹と政が同時に悲鳴に近い叫び声を上げた。

「そそそそういえば辺り真っ暗じゃねえか!!」

「ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!ヤバイ!バイヤ??」

「なに訳分かんないこと口走ってんだ政!?落ち着け!!ともかく落ち着くんだ!!まずここから出よう!!」

「お、おう!!」


二人は争うようにして保健室を飛び出した。

「ふう〜………で、ここは何処だぁ!!俺はどうやったら外に出れるんだ!!」

今度は伊吹が慌て出す。

「大丈夫だ!!これを使えば………!」

そう言って政は廊下の窓ガラスを叩き割ろうと近くに置いてあった長机を持ってきて、高々と振り上げ………


「いやダメダメダメダメ!!それは一番駄目だって!!」

慌てて伊吹が止める。

「放せっ!!ここを出るにはそれしか………ん………?」

急に政が大人しくなった。

「………?政。どうし…むがっ!?」

机を即行で床に置き、伊吹の口を手で押さえた。

「もがが!?むがむが!!」

「シーッ!!黙って!!」

壁に張り付くようにして辺りを伺った。

「小さいが、誰かと誰かの話し声が聞こえる。」

伊吹に小声で言ってから押さえていた手を放した。納得したのか伊吹は何も言わず政を真似るように壁に張り付く。


………か………やらん………いな………

…………………わか………まし………


「………小さくてよく聞こえねぇ………。」

政が憎らしげに呟く。

「………2階からだ………。」

「………行くか?」

「当たり前だ。」

二人はゆっくりと足音を立てずに移動をし始めた。


二人が何故こんなにも反応したのか。

それは声の雰囲気。

どうも感じが、『密談』に近かったからだ。

よくドラマや時代劇とかにある不正、もしくは悪質な取引、又は賄賂等々といった感覚か。

そういう裏で糸を引く奴等や、人の弱味に漬け込むような輩がこの上ないくらい許せない。

そんな性分なのだ。この二人は。


素早く音を立てずに階段をかけ上がる。

声のする方に近づくにつれて段々とはっきりと聞こえてきた。


「…おいおい。教えたことと違うじゃないか………私はそうしろなんていっていないぞ………。」

「………はい。」


一人は男の声。もう一人は女の人の声だろうか。


「あれだな。」

先に階段を上りきった伊吹が一部屋だけ灯りの点った部屋を指さす。

「………ああ。メタ○ギアを思い出すぜ………。」


政が壁に張り付いたまま移動をしていた。しかも既に伊吹が指をさした部屋の前。わりと距離はあったのだが伊吹の声が聞こえたらしい。

「いや早っ!!どんだけ俊敏なんだお前は!!しかもメタ○ギアでそんなミッションはイベントぐらいでしか無えぞ!!」

小声でツッコミつつ移動中。


二人は息を潜めたまま開き戸を覗き込む。

教室と同じくらいの大きさの広さの中に、豪華な赤い絨毯が一面に敷かれていて、部屋の真ん中には長いソファーが一つ。机を挟むように二つソファーが置かれてあり、両方とも一人用に見える。

壁際に本棚。古そうな本がぎっしりと詰まっており、窓際には社長を彷彿とさせるような机が置いてあった。


そして、その近く。

中年の男が、この学校の制服を着た少女を追い詰めるように立っていた。

中年らしき男は、中肉中背の白髪で、高そうなスーツを着ていた。だが、後ろ向きに立っているので顔までは見えない。

一方、少女の方はとても美人で、金色の長い髪を後ろでまとめたポニーテールの髪形でぱっと見、清楚系。モデルのようなスタイルで、町中を男と一緒に歩いていたら殺意を込めてその男を睨み付けるだろう。

特に恭志郎とか。


だが今は顔を赤くして俯いていて、会話もどことなく怪しい雰囲気だった。


「………あれは、同じクラスの松下じゃねーか。」

「松下………?あーあー、あの娘ね。『松下 マヤ』(まつした まや)だっけか?母親がアメリカ人で、父親が日本人のハーフの娘。確か今年の『美男美女コンテスト』の優勝候補じゃないっけ?」

「今はそんなどうでもいい情報は言わないでいい。」

「読者サービス。」

「いやサービスにもなってねえよ。………!!しっ…静かに………。」

二人はそっと聞き耳をたてた。



「………いいのかね?私の契約に乗らなければ君は路頭に迷うのだぞ………。借金などそうやすやす返せるものでは無い。特に女一人ではな。それとも、私の金など要らないか?」

「それはっ!!………そんな事は………。」


「だったら大人しく先程言ったことを私に言いなさい。」

「………………わ………私にっ………は…恥ずかしい事を………して下さい………。」


「聞こえんな。」

「っ!!………私に恥ずかしい事をして下さい。」


「お願いします。は?」

「…お、………お願い………します………………。」


「フフ………良くできた。ご褒美によく可愛がってやろう。」

そう言うと中年の男はニタニタと厭らしい笑みを浮かべながら女子生徒に歩みより始めた。


〜廊下〜

「………伊吹。」

「………言わなくてもいい。」

「ああ。」


「「………ぶちキレた!!」」


ドガンッ!!

開き戸を蹴破る勢いで二人は入る。

そして、

「おりゃああああっ!!」

政が伊吹を背負い投げの要領でぶん投げた。

「ライダーキィィィック!!」

そう叫びながら伊吹が渾身の


頭突き。


叫び声に驚いて振り向いた中年の男の頭に命中した。多分、おでこの少し上。

そして、何が起こったのか全く分からずに昏倒した。


ここまでにかかった時間は1秒。

まさに速攻である。


「〜〜〜ってえっ!!!相変わらず痛え!!また本気で投げやがったな!!」

「当たり前だ。何事にも全力を出さんとな。」

「黙れエセ老師!!………しかし、大丈夫ですかマヤさん。」

まだクラクラする頭を歯を食いしばって押さえつつ立ち上がる。

マヤはワナワナと震えていた。

「マヤさん………?」

伊吹が不審がって顔を覗き込む。


「……して………。」

「え?」


「どうして止めるのよ!!やっと決心したのにっ!!」

それは、お礼の言葉でもなく、感謝の賛辞でもなく、怒り。

あまりの勢いに伊吹がたじろぐ。


「………どういう事ですか?マヤさん。」

伊吹の後ろから政が至極冷静に問いかける。


「…私はね決めたのよ。体を売ってお金を稼ぐって………もうそれしか無いって………。」

「………両親は?」


「…死んだわ。最近、飛行機事故があったでしょ。それに乗っていたの。次の日に金融から電話があって………お金が必要だって………。」

「………何円?」


「…300万円。私は親が残した全財産を使って払ったわ………。けど、あと100万円………。明日中に払えなきゃ法的な手続きを取るって………。私どうしたら分からなくなって馬門宮先生に相談したわ!!でも………『そんなの無視無視。』って………。」

(………あの先生はな〜………。)

政は担任の顔を思い浮かべてからすぐに消した。


「………そしたら校長先生が来て、『相談に乗るよ』って………だから私は決めたのよ!!自分の事は自分でなんとかするって!!だから口出ししないで!!」

「………なるほど。だが、」

政がしゃべりかけた瞬間。


パァンッ!!


伊吹がマヤの頬を平手でひっぱたいた。

政もマヤもあまりの突然さに言葉を失う。


「………あんたの言いたい事はよぉ〜く分かった………。」

伊吹がゆっくり語り出す。


「…けどなぁ…、あんたはどこぞの判らねえ金融信じて、自分の担任を信じなかった。

あまり面識ねえ校長に話して、俺たちクラスメートには何も話さなかった。」

「…それの何が悪いのよ!!あなたたちみたいに権力的に非力じゃ、何も出来ないくせに!!あなたにすぐに100万もの大金が用意できるの!?」

マヤは怒って猛反論する。


「………あんたは俺たちの何を知っているんだ?まだこの学校に入学して3日だ。

たった3日だぞ?

その間にあんたは俺たちの何を知ったんだ?」


その時―――

政は悟った―――

伊吹は―――

本気で怒っていることに―――

(………こういう言い回しの時、あいつは本気で怒っているんだよなぁ…。)




「…そんなに言うんだったらあなた、何とかしなさいよ!!」


「嫌だね!!」

きっぱりと言い切る。


「やっぱり口だけね!あなたは!!前にも居たわ、あなたみたいな口先だけの…」

「なにか勘違いしてないか?俺は『相談』しろっつったんだ。『命令』しろなんて言った覚えはねぇぞ!!それになぁ!これは俺の綺麗事だけど、自分の体は売りモンなんかじゃ無いんだよ!!そんなことしてお前は自分に胸張って生きていけんのか!?」

「っ!!」

伊吹の勢いに押されてマヤが黙る。


(………かぁ〜、相変わらず無茶苦茶な言い分だな。伊吹は。)

政が頭を掻きながら助け船を出す。

「まあ〜その、あれだ。これから先もお世話になる仲だから少しは頼れって言ってるのさ、伊吹は。」


「………そう…なの…?」

気が動転していたのが落ち着いてきたのか、マヤはゆっくりとその場にへたり込む。


「………………じゃあ………お願いしてもいい………?」

「ああ。」

伊吹は力強く手を差し出した。


出された手を見て、伊吹の顔を見て、そして、初めてこの人を本気で信頼しようとマヤは思った。


「…助けて………。」

それが初めて本気で人に助けを求めた時だった。


「ああ。………それと、これからもよろしくな。」


マヤは伊吹の手をとって自分の両足で、己の力で立ち上がる。





読んで頂き誠にありがとうございます。


ギャグには珍しいシリアス展開。

そして伊吹の頭突きによって倒された中年男は何者か!?

果たして伊吹は100万円を集めることが出来るのか!?

次回の鍵は『神宮』!!


乞うご期待!!






………スイマッセーン!!期待しないで下さい!!自分で自分を追い込んでます!!ホントスイマセンでしたぁ!!

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