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保健室とか学園じゃ定番だよね。

森脇、通称『鋼の男』に捕まった伊吹は脂ぎったスープのようなこってり具合に説教された。

もちろん授業開始前には開放されたが。

なんとか教室までフラフラとなりながら戻ってきた伊吹は教室に入る一歩手前で力尽きた。

辺りが真っ暗になる………。単に目を閉じ気絶しただけなのだが。


そして目覚めたのはなんとベッドの上だった。


「…………………えーと………あれ??」

ムクリと起き上がる。


「気づいたようね。」

左から声がした。

保健室の教員である『小林こばやし みなみ』先生だった。先生にしてはまだ若い21歳で、先生目当てに来る男子が少なからずいるらしい。(特に恭志郎)


「あれ?………えっと………?あれ?」

伊吹が不思議そうな顔をして考え込む。


「隣の静さんにお礼を言いなさいよ。」

小林教員が机で何かを書きながら言う。


伊吹が横を見ると静がベッドで寝ていた。ゆっくりと呼気を繰返し、眠っていた。


「彼女凄かったわよ。なんせ極度の貧血状態で、気絶した貴方を此処まで背負って来たのよ。」

そう言いながら小林教員が机の書類をまとめあげ、隣に置いてある引き出しにしまう。


「………でもなんで俺………。」


「貴方は多分、輸血された血液に身体が拒絶反応を起こした可能性があるわね。何故か遅れて発症したみたいだけど。医療に携わる人間としては調べてみたいわね。」

意地悪そうに微笑んだが、伊吹がそれを見たかどうかは判らない。

「じゃ、先生はちょっと職員室から書類を取って来るから大人しくしていなさいよ。」

そう言って小林先生は出ていってしまった。


「………そっか………。」

二人だけになった伊吹が悲しそうに呟く。そして静を見る。


「ありがとな。静。」

伊吹はベッドから出てゆっくりと静に近寄る。


「………ん………。」

静がゆっくりと寝返りを打つ、


直前に伊吹は飛び退いた。


「静………。起きてるだろ。」

伊吹は背中を伝う嫌な汗を気にしながら警戒する。


「…気づいた?うーん………既成事実を作るの失敗しちゃった。」

静がこちらを向いて伊吹を見つめる。


「既成事実って………何しようとしてたんだ………。」

恐る恐る問いかける。


「何って…もちろん。男女のま…」

「駄目だーっ!!なんかそれだけは言っては駄目な気がする!」

伊吹は必死になって両手で静の口を塞いだ。


ガチャ


突然、保健室の戸が開いた。


「失礼しま………。」

最初に入ってきたのは真琴だった。


「伊吹ー。大丈夫か…あ………。」

後ろから政。


「伊吹どのー。起きたか…の……??」

次に神宮。


「伊吹さーん。心配しまし…………。」最後に昌子。


全員保健室の入口で固まった。


真琴達が見たものは、静に馬乗りになり両手を押さえつけている伊吹だった。そして何故か静の服が淫らに少しはだけていた。


その場所の全員の動きが止まる。

そして、真琴から口を開く。


「伊吹………。」

「伊吹…お前って奴は………。」

「伊吹どの………。」

「伊吹さん………。」

4人が冷ややかな目線を送る。


「違あああああああう!!!これはそういう事じゃなああああい!!!!」

伊吹が全力で叫ぶ。


「…駄目よ…伊吹君…皆が見てる………。もう………強引なんだから………。」

静が色っぽい声を出す。


「黙ってくれ静!!余計にややこしくなる!!」

伊吹が焦って怒鳴る。


「へえ〜。伊吹。何が違うんだ?」

真琴が睨むように追い詰め始める。


「ま、待ってくれマコッちゃん!!これは…」

「伊吹どの………私は幻滅した………。」

伊吹の言葉を遮って神宮がうつむき、制服のスカートの裾を強く握る。


「じ、神宮さん!?勘違いだ!!これは…」

「伊吹さん………やはり胸が大きい人がお好きなんですね。」

昌子が自分の胸を見ながら悔しそうに嘆く。


「だから違うんだ!!みんな俺の話を聞いて…」

「とうとう静さんを攻略する気になったのか。伊吹。」

政がうんうんと頷く。


「てめぇはだーってろい!!」

伊吹が早口に政に怒鳴る。


「伊吹君。つ、づ、き。」

静が至極マイペースに笑う。


「するかぁーっ!!ちょっ…放せっ!!腕!絡み付くな!!」

伊吹が静から放れようともがく。


「もういいですよ伊吹さん………もう私は必要無いんですね………。」

昌子が悲しそうに言い廊下へと出る。


「伊吹さん最低です。………好きだったのに………。」

神宮が涙を溜めて保健室から飛び出す。


「………心配した私が損した………一生そこでイチャイチャしやがれ!伊吹のバアァーカッ!!」

真琴が保健室から出る。その時に力一杯扉を閉めて出ていってしまった。


バタンッ!!

開き戸が壊れるくらい大きな音を立てて閉まった。


また保健室全員の時が止まる。

居どころが悪くなった政が動きだす。


「ん。俺も邪魔そうだから出てい…」

「待ってくれ………。」

伊吹が半泣き状態で政に詰め寄ってきた。


「ぬおわあっ!!い、伊吹!?お前っ!ちょっ…危なっ!!」

政が勢いに負けてたじろぐ。


「せめて…せめてお前だけでも誤解を解かなければ…絶対に…なにがなんでも………。」

伊吹が政の肩を掴み更に詰め寄る。その姿は何となくゾンビぽかった。


「うわ眼ぇ怖っ!!待て待て!!落ち着け!!それ以上こっちにくんな!!そして何故か後ろに伸長を測るヤツの尖った所がちょうど俺の尻の高さに危なっ…にぎゃああああああっ!!」


政の尻に尖った物がグサッとなりました。




最後まで読んで下さった人、ありがとうございます。

ん?なんかのフラグが立った?

作者いわくそれは気のせい。

………多分。

さ〜て、この後どうしようかな〜♪

どうやって進めていけば良いのやら………

しかし、内容がどっかのギャルゲっぽい気がするな………。


『問題ない気のせいだ』


だ、誰??


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