えっと………ダレデスカ?
間があいてしまった…
「………………………………」
山下は目の前に表れた謎の人物に対してどうやって切り出すべきなのか今、非常に困っていた。
何故なら、目の前に現れた人物は全身をピンクのモサモサした着ぐるみを見にまとい、頭には青いネコ型ロボットっぽい被り物を被り、更に着ぐるみの上から下駄を履いているという奇妙キテレツ、摩訶不思議、ワケわからん!と、言うような格好で登場したからである。
「…なん………で………?」
流石の神宮も、この時ばかりは悪魔や神、その他もろもろのいろんなものに願った。今、助けに(多分)来てくれたであろう人物が、自分の惚れている人では無いと。
「えー、あー、ゴホンゴホン………『ぼく、いぶえモンです〜』(ダミ声)」
「何処が普通の高校生だぁっ!」
「………………………(泣)」
山下がたまらずツッコミを入れる。
………確かにどこが普通の高校生なんだろねwww
…そして、無言の神宮さん。ドンマイ。
「あれ?…あ!そっか!あいつ高校生じゃねえや!えーと………『見た目は子供!頭脳は大人!その名は名探偵ウエノ!!』」
どう見ても子供に見えないし。あ、でも頭脳は子供だ。が、この際は無視してあげよう。痛々しい。
「どこからどうみたら見た目は子供で頭脳は大人なんだ!?」
山下はツッコミ続ける。ガンバレ、オウエンシテルヨ。
「黙れナレーター!一生そこでナレナレしてろ!」
伊吹、『ナレナレ』ってなに?(笑)
「いぶっ………どうして…、貴方が、ここに、居るの?」
神宮さん。私をスルーですか?ひどい………。グスン。
「まぁまぁ。気にしない気にしない。取り敢えず大丈夫………じゃ、ないよな………」
伊吹がスルー…だと…!?バカな!?ありえん!ありえんぞぅ!!
”………ナレーター………(怒)”
ゴ、ゴホン………。伊吹が神宮の顔を見てから山下の方を向く。
「…えっと、誰だっけお前」
指をさしてあざけるように問う。
「………貴様…おちょくってんのか?」
「いえ、全然。全く。断じてそんなことありませんYO☆」
何故かラップ調に答える伊吹。
山下も流石に額に青筋を浮かべて顔を引きつらせる。
被り物をしているせいで表情が全く分からないが、多分(絶対)、こいつは俺をおちょくっているに違いない。腹立つヤローだ。
そう解釈した山下は苛立ち紛れに懐から単発式の自動拳銃を取り出して、高校生(自称)に向かって片手で構える。
「とりあえず、お前、その被ってるもんを取れ」
「………断ったら?」
「こいつを撃つ」
カャチリ…。と、その黒い銃口の先を神宮の額に当てる。
「…っ!?………あ〜はいはい。わかりました。取ればいいんでしょ、取れば」
そう言って被り物に手をかけて上に持ち上げると、中から仮面ライダーのお面が…
ガオォンッ!
突如銃声が響き、音の大きさに驚き、神宮は思わず目を瞑る。
そして、恐る恐る開くと、目の前でゆっくりと自称高校生が倒れ込んだ。
「…い、嫌ああぁぁぁぁっ!!」
(伊吹君が伊吹君が伊吹君がっ!!し、死んだ!?)
「全く、私をコケにするからこうなるのですよ?自称高校生さん。まあ、既に聞こえていないでしょうけど」
「起きて!!ねえ!伊吹君!!伊吹くうぅん!!」
「…ほぅ…。『伊吹』と、いうのですかこのおちゃらけた餓鬼は。阿呆にもほどがありますね」
くっくっくっ…。とさも楽しそうに山下は笑いだす。
…が、すぐにその表情は険しいものへと変わる。
倒れたはずの伊吹が起き上がったのだ。ゆっくりと。まるで生きているかのように。
「…いってえ…。あー!ったく!なんなんだよこのスーツ!緩衝剤とか入ってねえのかよ!」
相変わらず仮面を被っていてどんな表情をしているのか分からないが、とりあえず生きているようだった。
「い…、伊吹君…??な、なn」
「何故生きている!確かに心臓を撃ちぬいたハズだ!!」
神宮の言葉を遮るようにして山下が怒鳴り散らす。
「んなもんあんたに教える義理はねえよ」
ずいっと一歩足を踏み出す。
「う!動くな!それ以上来るな!この娘の頭が吹き飛ぶぞ!!」
再び拳銃を神宮のこめかみに当てて脅しをかける。
「…ちっ…」
舌打ちをして半歩後ろに引く。
「はあ…」
軽くため息をついた山下は今の状況をゆっくりと処理し始める。
「…で、あなたは何の用でここに来たんですか?」
「とりあえず、攫われた人を全員解放して欲しいな」
「…つまりそれは身代金を用意してきたと?」
「…ああ」
「みっ、身代金!?」
神宮が堪らず声を張り上げる。
瞬間、腹部に鋭い激痛が走る。
「ぎいっ………!?」
痛みに対し、呻き声に酷似した悲鳴を漏らす。
「黙れ!次何か言ったらその頭をブッ飛ばすぞ!?」
怒鳴り散らしながら山下は神宮の腹部にめり込ませた足を下ろす。
「ッ!!」
伊吹が反応して駆け寄ろうと身構えた。
「動くんじゃねえっ!」
―――と、神宮のこめかみに拳銃を突きつけて脅し、牽制され、結果的に何もしてやれなかった。
軽く返事を返して、後ろに片手を回し、銀色のアタッシュケースを取り出した。
「中を開けろ」
「………はいよ」
伊吹は言われた通り、アタッシュケースを開けて中を開く。
するとそこには、福沢諭吉の肖像が描かれた札束がぎっしりと詰まっていた。
無論、それは、普通の高校生(自称)が持ち歩いて良いようなものではない。
「約束通り二億だ。さっさと神宮さんを解放してもらおうか?」
「…っ!?」
普段聞きなれないような単語が飛び出す。無論、『二億円』と言う金額は事実であるだろう。が、自分にそれほどの価値が掛けられていたとは知らなかった。
「ではゆっくりとそれを下に置き、後ろを向きなさい」
「………はいよ…」
言われるがまま、ケースを下に置き、後ろを向く。勿論、後頭部にまでしっかりと何かで覆われていた。
「………そういえば、上の階には私の部下がいたはずですが、どうやってここまで?」
と、ここで、着ぐるみのインパクトに圧倒されて、飛んでいた思考回路がゆっくりと動きだし、気が向いたように問いかける。
「あ?………ああ。一斉に襲いかかってきたから、とりあえず全員伸してきた」
それは山下にとってはあまりに衝撃過ぎた。
「バカな!?20人以上は居たはずだ!それを…」
「伸してきたって言っただろ?」
仮面越しのせいか、伊吹の声が低く聞こえる。そして、それが威圧感となり、相手に恐怖を植え付けさせ、判断力を鈍らせる。
「伸してきた、ったら伸してきたんだ。それとも自分の眼で確認しないと信じられないってか?そんな訳ないだろ。現に俺が地下に入ってあんたとこうして対峙してても誰も来やしない」
伊吹の言う通りである。
ここまで怪しい人物を素直にここまで来させてくれる訳がない。神宮の見た限りでは目の前の階段。もしくは後ろからしか此処に来る方法は無い。
つまり―――、
「………チェックメイト…」
ぼそりと誰かが呟いた。瞬間―――、
山下の持っていた拳銃が吹き飛んだ。
「!?」
「山下とか言ったか?アンタ、計算通りにいかないと、パニクるタイプだろ?」
伊吹の指摘に山下はたじろぐ
何故?どうして?何があった??
答えは単純。
どこからか現れた刑事が山下の持っていた拳銃を撃ち落としたのだ。
「あ〜、山下 京太だな。監禁、恐喝、暴行の罪で現行犯逮捕する。」
「!?」
宇尾間 仁真………!?
いつ!?どこから!?どうやって!?
混乱を起こした山下はどうしたらよいか分からずその場に立ち尽くしていた。
もちろん、その隙を、伊吹は見逃さなかった。
大きな着ぐるみを着ているにも関わらず、異常な速度で山下に肉薄し、顔面目掛けて思い切りぶん殴った。
ゴキャッ
鈍い骨折音が地下室に響き渡り、間をおいて山下が倒れた。
「………一生寝ていろ、この、クソ野郎………!!」
伊吹はそう、静かに呟いた。異質なまでの怒気を込めて。
Q、なんでこんなに遅れたの? A、それはね。話がグダグダになり過ぎて、半分作者が自暴自棄になってしまったからだよ。(嘘です) ハイ!ようやく投稿です。待ってくれていた人ありがとう&ごめんなさい。 次の話もいつ投稿できるか分かりませんがなんとか頑張りたいです。