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今日から始まる最初の………3日目!?

主人公の名前は決して『かみのいぶき』としようとした訳ではありません!!

(ナレーション)

とある町にあるここ『山都学園』(さんとがくえん)は男女共学のごくごく普通の学校である。ただ、男子より女子の方が多いこと以外は。


ジリリリリッ!

「…………む〜っ……。」

朝の日光を嫌がりながらこの物語の主人公、上野うえの 伊吹いぶきは目覚めた。ベッドの横の机に手がギリギリ届くか届かない位置にある目覚まし時計を止めようと奮闘中である。

「…………くっ……ら……ぬっ………。」

ずるっ

「のわっ!?」

がんっ

ベッドからずり落ち、派手に顔をぶつけた。

「くぬぬぬ………はっ!?今なん……じ…………………ぎゃああああああああっ!!遅刻だあああああっ!?」

伊吹は急いでパジャマから制服に着替えると頭の中で計算し始めた。

(始業式の次の日、いきなり遅刻はまずいっ!!今、8時40分で、学校開始が8時45分。学校まで平均5分………ギリギリだっ!!)

着替え終えると、一人住まいの家を飛び出して自転車にまたがってすっ飛ばしていった。

歩道を歩く人がみんな自分を避けるように道を空けていき、すぐに学校の校門が見えた。

「っしゃあーっ!!まだ大丈夫だっ!!」

校門の門に誰かが来るのが見えた。

「ヤベッ!!生活指導の森脇だっ!!」

生活指導の森脇もりわき さとる。『鋼の男』と生徒の間でも恐れられる体育教師である。今年で35歳の子持ち。毎朝、校門を開け閉めを担当しているのだ。

「くっそぉ〜っ!」

この時、伊吹の頭はフルに回転をした。

(選択肢1、強行突破

選択肢2、平謝り

選択肢3、裏道に回る

………どうする俺っ!!)

そして、伊吹は決めた。

(よしっ!!選たく……あっ!!)

伊吹は………、

選択肢4の『突撃』を選んでいた。

もちろん標的は森脇生活指導教師である。

どかっ!!

……………引いてしまった。


華麗に空中を舞う35さ………

ずんっ!!

地面に降り立つ35歳。

自転車のかごを前から抑えられた。

猛スピードで走っていた自転車が一気に減速する。

「伊吹………今日が初めての遅刻だな。」

ニヤリ、と笑いながらドスの効いた低音で話しかける。

「あ、はははっ………はい……。」

身体中がちょっと痙攣したみたいに震えていた。

「よし………。生活指導だ。」

・ ・ ・ ・ ・ ・

「オハヨー伊吹!今日が初めての遅こ…どうしたぁっ!!?」

伊吹の悪友、宇尾間うおま まさは驚いた。

「焼かれたぜ………焦げ焦げにね…。」

伊吹は机の近くに着くと鞄を下ろし、椅子に座って机に突っ伏した。

(ああ……あそこの川を渡ればいい………の………かな………。)

「ヤバい!!伊吹の口から魂がでかかっている!!マコさーん!!」

「?。政君、呼んだ?」

斉藤さいとう 真琴まこと皆から『マコさん』『マコちゃん』と親しみを込めて呼ばれている美少女だ。

「助けて下さい!伊吹が『鋼』に説教くらって死にかけているんです!!」

「ん、わかった。………伊吹くぅん…起、き、て。」

耳元で囁いた。すると、

どっぱあっ!

伊吹の鼻から大量の血が飛び出た。

「伊吹ーーっ!!」

「あれ?間違えたかな?」

ぴくっ………

微かに伊吹の指が動く。

「い、伊吹!!」

指でサインを出すようにゆっくりと動く。

「ああ!!合図だな!!えっと……『わ、が、しょう、が、いに、いっ、ぺん、の、くい、な、し。』」

ガクッ

「伊吹きいいぃぃ!!初っぱなで主人公死ぬ小説なんて聞いたことねえぞおおおぉぉ!!」

「いや、死にかける小説はいくらでもあるよ!!」

真琴が真顔でツッコむ。

「そういう問題じゃねえーっ!!しかもこの死にかたって何!?ただの変態じゃねーか!!」

政が叫んだ時だった。

「変態とは失礼なっ!!」

伊吹が怒りぎみに言った。

「い、伊吹!!良かった………気が付いた……あ!!?」

「ったく……せっかく人がいい気持ちで寝てたのに起こしやがって………恨みでもあんのか??…にしても、とてもいい気持ちだなぁ…………。」

伊吹が半透明で、伊吹の体の上に立っていた。

「ぎゃあああああああっ!!」

「きゃあああ!お化けええええええ!!」

二人が同時に悲鳴を上げた時、

バンッ

教室の扉が急に開いた。入ってきたのは同じクラスで、家が退魔師の馬門宮まかどみや 神宮じんぐうだった。もちろん美少女。本人も家業を受け継ごうとしている巫女である。

「出たな悪霊!!我が祈りを受けよっ!!ディ・ハールト・ウルク・ディス・アルバトリム・イス・ナマタア・フサブ・メバリエ!!悪霊退散っ!!」

「やっちゃ駄目ぇえええ!!」

チュドーンッ!!

…………政の制止もむなしく、午前9時、教室が爆発した。




「ぬう………また失敗してしまった……。」

悔しそうに馬門宮が口を尖らせる。

「いや、失敗して良かったからね!成功したら俺、消えてたからね!!」

伊吹が慌てて否定的に言う。

「一回マジで死んでみろよ。ったく………心臓止まるかと思ったよ。」

政が疲れ果てたように机に突っ伏した。

「でも、伊吹って私の囁きでコーフンするんだね。」

真琴が艶かしい声で伊吹の肩に手を置いた瞬間だった。

ブッ!!

「伊吹いいぃぃ!!」

再び伊吹が倒れて鼻血がどばどばと流れ出した。すぐに池が出来るくらい大量に。

「弱っ!?伊吹鼻の詮が弱すぎるよっ!!ってか勢い強すぎだっ!!」

政が全力でツッコんでいると、伊吹の中から伊吹が出てきた。

(ああ………あれが…俺のおじいちゃんなんだな………今会いに行きます………。)

「うわあ!!考えてること、だだ漏れだよ!!伊吹っ!その人に会いにいっては駄目だああっ!!」

政がまた慌てて救済しようとしていた。

「えと、伊吹はB型だから、誰か!!B型の人はいませんか!!」

「私、B型よ。」

近くの椅子に座っていた加藤かとう しずかが立ち上がった。彼女は巨乳の美少女である。

「よしっ、ちょっとこっちに来て!!あ、近くにいるか。んじゃあ………。」

「じゃあ?」

真琴が聞き返す。

「……………………ど〜しよ〜………。」

「「考えてないんかいっ!」」

総ツッコミがはいった。

「いや、大丈夫だっ!!」

政が言い放つ。

「なんでそんなに前向きな発言ができんの!?」

やはり真琴がツッコむ。

「成せばなる!何故なら俺だから!!」

「「少しは考えろぉーっ!!」」

また全員に総ツッコミされた時だった。

「何を慌てているんだい仔猫ちゃん?」

一人の美男子が近づいてきた。

近づいてきた男の名は天道てんどう 恭志郎きょうしろう。ナンパすることに命を燃やす女好きである。

「あ、そうだ君たち、そんな死にかけの男などほっといて、今から皆で食事でも行かな…」

「どいてーっ!!」

「へっ!!」

がんっっ!!

恭志郎に作業用のカートが突っ込んできた。

「どぶあっ!!」

なすすべなく回転しながらぶっ飛んだ。

恭志郎に突っ込んできたのは学年の保険委員長の宮野みやの 昌子しょうこ。眼鏡をかけた慌て者の女の子である。

「伊吹君の輸血ですか!?私が何とかします!!B型の人は今いませんか!?」

「あ、私よ。」

静が前に出る。

「じゃあ今から輸血しましゅっ!」

………噛んだ。



はい。最後まで読んでくれた人、ありがとうございます。

相変わらずの出来損ないの作品ですが、どうか一つよろしくお願いいたします。m(__)m

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