誰かの命を
私が目を覚ますと、怪物の目の前に立っていた。
「ひっ……」
私はつい後退り。
『怖気付くな!怪物と向き合え!』
えっ……この声、スカイさんの声?
でも一体どこから?
……今はそんなこと気にしてらんない!
とりあえず目の前のこいつをなんとかしないと、私が死んじゃうっ!!
『目を瞑ってこいつを倒すという思いを強く抱き、目を開ける。ただそれだけだ』
私はゆっくりと目を瞑る。
こいつを倒す……こいつを倒す……絶対に、私は生き残る!!
私が目を開くと、辺りが眩しくフラッシュ。
そして、私の中から何かが出ていくような感覚。
『グアっ!!!グアアアアアア!!!!!!』
これ……怪物の声?
光が消え去ると、そこに怪物はいなくなっていた。
倒したんだ……ホントに、私は、こいつを……
『よくやった!扉から出てきてくれ』
私は扉の方に向かおうとして……そこに倒れ込んだ。
あれ?なんだか……目の前が……
『きらら!?きららっ!!!』
スカイさんの声が聞こえてくる。
そこで再び、私の意識はぶっ飛んだ。
目が覚めると、私はさっきの部屋にいた。
「あっ!目覚めた!スカイさん、きらら目覚めたで!!」
……え?どう言うこと?
「大丈夫か?にしても急だったな。チカラを使いすぎたのか」
あっ、そうだ。
確か私、怪物を倒したあと……
「きらり、なんか見てねえのか?きららが倒れた原因はなんだ?」
「チカラの使い切りですね。でもきららさんはすごく大量のチカラを所持している。上澄を使い切ったにすぎない」
淡々と、冷静に告げるきらりさん。
「じゃあなんで倒れたんや?チカラが残ってるのに倒れるなんて」
「こんなにチカラを使ったことがないからでしょう。ゆっくりと確実に、使える部分を増やせばいい」
「じゃああの光はかなりのチカラを消費するってことだな?」
「そうですね。僕も使えるんだと思いますが、多分チカラが足りない」
「じゃあきららのチカラを分けて貰えば問題なさそうやな」
……んんん?どう言うこと?
きらりさんが私に歩み寄る。
「……ごめん」
きらりさんが私の手を握って目を瞑る。
「うっ……!?」
私は頭痛がしてその場にしゃがみ込む。
きらりさんを見ると、周りのオーラが倍くらいに増えていた。
「きらりのチカラが増えたの、見えるか?」
「あ、このオーラみたいなのってチカラの量なんですか。はい、見えます」
「きららのチカラがきらりに移ったんだ。本力と他力の間でしかできないもの。本力と他力の関係である証拠でもある」
「へー……?」
よく分からないまま返事をする。
「……まあ、だんだん慣れていったらいいで」
多分帝夜さんにはバレてる。
「とにかくだ。そうやって怪物を倒すんだ。そうしてこの世界を救う。いいな?」
そんなこと言われて、私に断る理由があるわけない。
「はい!この七森輝星、身命を賭して戦わせていただきます!!」
私のチカラが、誰かの役に立つのならば。
私はこのチカラを、皆の役に立たせる。
私のチカラで、誰かの命を救えるならば。
私はこの命も、全くもって惜しくない。




