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エピローグ:幸せのブーケ

そして、結婚式当日。


町はすっかり歓迎ムードで賑わっていた。

城にはたくさんの来賓で賑わい、各々楽しんでいる。

そんな光景を見つめながら、私は緊張していた。


「クラウディア様、もうすぐだよ」


「は、はいっ」


「何を2人して緊張してるのさ」


「ふたり、って……アルバート様も?」


マーサはニヤリとしながら頷いた。

そんなやりとりをしているうちに、マリーが私を呼びにきた。


「クラウディア様! ハルファスト家の皆様がいらっしゃいました!」


「お父様とお母様が!?」


私が嬉しくなって立ち上がると、お父様とお母様がちょうど控え室に入ってきた。


「おお、クラウディア……美しい花嫁姿だ」


「クラウディア。よく似合ってるわ」


「ありがとう!」


そんな様子を、扉の影から顔だけ出している子がいる……。


「これ、リビエラ。あなたも挨拶なさい」


「いいのよお母様。少しずつで」


リビエラは扉の向こうに引っ込んでしまった。

あの一件以来、すっかり元気をなくし、人とも会いたがらないようだ。

新しく雇ったメイドには酷く当たったりもしないけれど、少し心配かな。


お父様とお母様は、アルバート様の方にも挨拶に行くと言って、すぐ部屋を出て行った。

しかし、再び扉が開くと。


「…………」


「り、リビエラ?」


リビエラが、おずおずと近づいてくる。

そして。


「……それ、似合ってるわよ」


それだけ言うと、さっさと部屋を出ていってしまった。

私は嬉しくて、思わず顔が綻んだ。

いつかリビエラとは、姉妹として話せたらいいな。


「……さ、そろそろ時間だね、緊張はとれたかい?」


「ええ、マーサ」


「良かった良かった。それじゃ、これ持って」


「これ……は?」


「アルバート様特注のブーケだよ」


いろんな種類の黄色の花が一つにまとめられているブーケを手渡された。

プロポーズの時の黄色い花。

とても綺麗……だけど、ちょっと照れるかも。


そう思って見ていると。


「クラウディア」


「アルバート様!?」


控室に、アルバート様が入ってきた。


「ちょっと、婿はまだ入ったら……」


「俺が迎えに来た方が早い」


そう言うと。


「きゃあっ!?」


私を抱きかかえてしまった。

お姫様だっこというやつ。


「暑いし、父にはからかわれるし、セドリックにはくどくど言われるし、もう我慢できん。さっさと始めるぞ」


「もう、アルバート様はせっかちなんですから」


アルバート様はふん、と鼻を鳴らすと。


「手を離すなよ」


そう言って、控え室を駆け出した。


周りの景色があっという間に過ぎていく。

廊下を抜けて、城の外に出る。

太陽の光が眩しい。


会場に出ると、すごく大きな歓声が沸いた。

城の前には無数の人だかり。

領民の皆さん、ハルファスト家では同僚だった皆。

あ、コック長もビリーもいる!

あ、あそこにいるのはヴァシリーさん! 騎士団の皆さん!


"クラウ"にも、こんなにたくさんの出会いがあったんだ。


私はお姫様抱っこされたまま、皆に手を振った。


そして思い切り、手に持っていたブーケを天高く投げた。




ああ、ここまでいろいろあったけど。

今、私はとても幸せです。




〜Fin〜

これにて、クラウディアの物語はおしまいです。

ご愛読ありがとうございました!


連載中、想像以上のたくさんの方が読んでくださり、またブックマークや評価などもいただけて、本当に本当に励みになりました!

応援してくださった皆様、ありがとうございました。


よろしければ引き続き感想や評価などなどいただけますと、大変励みになりますので、どうかお手隙の際にぽちっとよろしくお願いします!


これからも応援よろしくお願いします!

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