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危険なリラクゼーションのおはなし

作者: 紫藤 楚妖

 これを見ている皆様、ごきげんよう。わたくしは案内人。皆様をとってもステキでちょっぴり危険な旅にご招待いたします。しかしここで体験したことを現実で決してマネしてはいけませんよ。責任は持てませんからね。

 さぁ想像してみてください。あなたの耳の奥に穴刀が入っていく。鼓膜のすぐそばの毛が剃られていく。ジョリッ。おっと太い毛もあったようだ。

ほうら気持ちいいでしょう。毛の一本、耳垢のひとかけらも逃しません。ささ、お次も素敵ですよ。皆様も一度は考えたことはありませんか。鼓膜がかゆい。鼓膜をかきむしりたい。しかし現実はままなりません。どう頑張っても満足できない。ならば今日この時、わたくしがその願いをかなえましょう。わたくしの手にあるは細い針。これをあなたの耳の奥、鼓膜に入れましょう。さあ入りました、ちょっと掻いてみましょう。ホリホリ…。おっとこれではくすぐったいですか。ならばもう少し太い針でもうちょっと力を入れてみましょう。ポリポリ。

気持ちいですか。それは結構です。さあ思いっきり行きますよ。心配はご無用、ケガなんてさせませんよ。ボリボリボリボリッ。おっと奥に押し込んで鼓膜にくっついたまま固まったのがありますね。全部取りますよ。うん、たくさんとれました。このままにはしておけないので耳の掃除機でカスを吸い込んで、保湿剤を塗って終わりです。あと、おまけといってはなんですが鼻の掃除もしましょう。最近は乾燥もひどく花粉もたくさん舞っていますからね。鼻毛を一本残らず剃りましょう。鼻毛は鼻をほこりなどから守ってくれる。なるほど確かにそうですね。しかし体験してみたくはありませんか。鼻毛が全くないという気持ちよさ。え、やってほしいい。かしこまりました。お店で売っているようなバリカンじゃ味わえない快楽をお約束しますよ。ジョリージョリージョリー。どうですか。鼻の入り口から普段は触れもしない奥まで鼻専用の穴刀で剃っています。あぁ無理にしゃべらなくてもいいですよ。それこそ危険ですからね。ほらジョーリジョーリ。すごい切れ味でしょう。毛だけではなく鼻の中も同時にきれいになっていますよ。ご満足いただけましたか。またいらしてくださいね。次はまた違った危険なリラクゼーションをご提供いたします。くれぐれもお帰りなってからここで体験したことをなさいませんように。ここでしかできないことですので真似なさいませんように。わたくしどもでは責任を取りかねますので。

 ではまたお会いできる日まで。

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