第7話
「お疲れ様でした。かなりの時間を潜られてましたね」
俺達が一階層の階段を上り、ゲートに備え付けてある機械にカードを通すと受付のお姉さんに話しかけられた。
「何か買い取りがあれば承ります」
買い取りか・・先程ドロップしたリングを売ればひょっとして・・とは思うが、まだ売るわけにはいかない。これが二度と手に入らない可能性もあるし有力な物なのかも知れない。取り敢えずは色々と調べてからだな。
「いえ。一階層を探索しただけなので、これと言った物は見つけてはいないのです」
『失礼します』と一言言って美晴とその場を離れた。
そして駐車場に戻り車に乗り込んだ俺は、美晴に今はまだ売らない事を伝えた。
家に着いてからパソコンを立ち上げ直ぐ様リングについて検索をかけた所、これはスキルリングのようだ。
スキルリングとは、身につけておくとスキルが発動するというもの。
値段は高額となっており、大半は数百万以上で買い取られているみたいだった。
「戮・・力・協心」
『りくりょくきょうしん』と読むようだ。
意味は:全員の力を結集し一致協力して任務に当たる:となっていた。
意味は分かるのだけど、スキルの効果が分からない。なので指に嵌めることに。
「あれ?何も表示されない?」
すぐにパソコンで検索っと・・あぁそう言うことね。
スキルリングはダンジョン内で身につけないと見れないみたいだった。
理由は、ダンジョン内だけでしかスキルが有効にならないとなっていた。
そう言えば講習の時の人が言ってた気がする。明日試してみよう。
今日は一人でダンジョンにきている。すごく来たがってた美晴は友達とランチに行くとの事。流石に約束を突然キャンセルなんて出来ないよな。
ゲート内の機械にカードを通してゲートをくぐり抜け階段を降りて行く。
今日はこのスキルリングの効果の確認した後は適当に探索して帰る予定だ。出来る事ならスキルの検証もしたい所だが、検証方法がわからない。ステータスが数値化されているのなら分かりやすくていいが、無いものはしょうがない。あと、ランクの☆1が☆2なる可能性は多分ないだろう。
スキルリングを指に嵌めステータスを見るとー
国籍:日本国
名前:武田宗一郎
ランク:☆1
スキル:戮力協心『魔物に与えるダメージ+二%×共闘者』
ランクは安定の☆1だった。
そしてスキルは・・・ん~微妙。
俺と美晴が一緒に魔物にエンカウントしても四%のダメージが上がるだけだよな?
まぁ無いよりは有ったほうがいいだろうが、効果としたら微妙だな。