3.~諸外国~
【分かりやすい補足!】
【アルム】
幼少期に魔力を【擬人化】した七つの魔法に分け与える。
その結果、後遺症で魔力回復が著しく低下する。ほぼゼロに。
【アグニ】赤髪
アルムが最初に【擬人化】した炎属性の魔法。
煉獄山での修行で莫大な魔力を得る。
アルムの近くに入れば、魔力が繋がり魔力を提供できる。
アルムの元へアグニが戻った時期。
とある部屋。
「ほ、報告……!」
焦った様子の兵士が、諸外国にある執務室へ入る。
連日の勤務、徹夜で疲れ切ったお偉い人物は、「またか……」とつぶやいた。
「今度はなんだ」
やけに怯えた様子の兵士が言う。
「世界の均衡を保つ七つの魔神のうち、煉獄山に居た炎神が突如、姿を消しました……!」
お茶を飲んでいた彼は、それを噴き出す。
「ブフォッ! な、なんだと!? どういうことだ!」
*
また別の国。
「なんだよこの報告は……! 世界の均衡が崩れるぞ……! おい! 今すぐ国王様に知らせろ!」
七つの魔神を呼称された存在は、アグニたちの事であった。
若い人物が聞く。
「なんです? その七つの魔神って」
「数年前より突如現れた七つの魔神だ……最初は大したことなかったが徐々に力を付け、邪龍や公害と呼ばれる人間に害を成す巨大な魔物を倒している……! その力は今や世界の均衡になっているのだ!」
呑気な若者が言う。
「めちゃくちゃ有難いじゃないっすか!」
「馬鹿か! 一人の魔神でも国を滅ぼす力があるんだぞ! そんなヤバい奴らが人間の敵になったり、人の手に落ちたりしてみろ……!」
想像もしたくない、と言った様子を見せる。
「世界の均衡が一気に崩れるんだ!!」
*
そんなことになっているとも知らず、アルムたちは国を出ようとしていた。
相乗り馬車の中でアルムが言う。
「アグニ、最初の頃より、身長が大きくなったね」
「えっ……そうでしょうか?」
意外そうな顔をされる。
アグニが自分の胸を見ている。
「そうだよ。俺がアグニと出会った時は、魔法もあんまり強くなくて、修行して強くなりますって騒いでたもんね」
「そ、そんな昔の話は忘れてください!」
懐かしいな。
七つの魔法を【擬人化】した時は、まだ子どもの姿だった。
それが今や、俺よりも立派に見える。
まるで、自分の子が成長したようで嬉しくなる。
「あとこれでも、公爵家では家事、事務、接待とかやってたから。何でもできるよ。俺に任せといて」
「流石です……! ん……? なんかそれ使用人みたいじゃないですか?」
「そうかな? てっきり、一人で生きていけるように訓練させてるって思ってたけど……」
「絶対違いますよ! ……許せないですね、あの家」
俺の代わりに憤ってくれるアグニに、少し嬉しく思う。
「でも、大丈夫かな……マイクロ公爵家って、意外と屋敷や装飾品にお金が掛かるから、少し借金があったんだ。フィム兄さんはあれだし、金遣いも荒いし……借金やお金の管理は俺がしていたんだ」
「なんで心配なんかするんですか! もう放っておけばいいじゃないですか!」
そう言われても、と思う。
「まぁ、それもそっか」
借金で破産でもしなければいいけど……。




