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 映画グレーテストショーマンを見た。私の日記の冒頭は~をした、見た、とかそういう始め方ばかりなのでたまにはおしゃれなことでもしようかと、グレーテストショーマンのキャッチコピーを考えていた。考えていたが、面倒くさくなってきたのでそのままいくことにした。そんなのいまさらだ。

 ちなみに考えていたキャッチコピーは「最高の体験は、最高の劇場ショーの中にある」とか、そういった陳腐なものだ。自分のセンスに脱帽だね。というわけで見たグレーテストショーマンだが、星5評価でいえば星4だ。全体的に良かった。多分映画館で見ていれば星5になっていたタイプの映画だ。ミュージカル要素が強いので大きな画面と大きな音で見られたら絶対最高だった。まだ見ていない人は是非映画館を探して観てほしい。まだやっているのかは分からないけど。

 ストーリーとしては単純ながらもメッセージ性が感じられるものだ。自信家の男の底辺から成功、そして失墜、からの成功の物語である。ミュージカルを交えながらその内容を1時間50分におさめるのでかなりテンポよく進んでいく。見ていて展開に飽きを感じさせない。どこでトイレにいこうか迷うくらいだ。

 そして、この劇の重要なメッセージは2つある。ひとつは「伝統の重さ」だ。近世イギリスの劇場は貴族のものであった。しかし、主人公が作った劇場はそれまでの伝統を破壊するに等しい行為だった。奇抜な人を集め、奇抜な催しをする。それは人を集めたが、どれだけ成功しても貴族社会はそれを認めない。主人公下品な成金という視線から逃れることができず、成功を求め続けてしまう。この作品の素晴らしいところはそういった伝統をただの悪として描いているわけではないということだ。それが変え難く恐ろしいものであると同時に、相応しい美しさと重みを描いている。

 ふたつめは「人々の個性」だ。いってしまえばLGBTQのようなものかもしれない。主人公は人気取りのためにとにかく「ユニーク」な人材を求めた。美しい歌声の男みたいな女、低身長症の子どもみたいな男、全身刺青マン、黒人の兄弟、とんでもなくデカい男、もろもろ。皆、社会からつまはじきにされていた人たちばかりだ。彼らが自分の輝ける場所を見つけ、ありのままの自分を受け入れていく。お前の個性は良いと思うよ、というメッセージが感じられる。これも説教くさくない程度なので一要素として楽しめる。


 映画のなかで最も印象的だった言葉がある。まだ貧乏な頃、カンテラで作ったような願い事マシーンに主人公の妻が「幸せが続きますように」という。それを聞いた子どもが「つまんないの」というと、彼女はこう返した。「幸せはつまらくなんかないのよ」と。この一連のやりとりがなぜか私の中ではすごく印象深いものに感じられた。

 もしかしたら私は家族の幸せというのを「つまらないもの」と思っているのかもしれない。あるいはそう思おうとしているのかもしれない。だから、その言葉にドキリとしてしまったのだろうか。

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