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 脳死小説エピソード第一回だ。久しぶり小説を書きたいなぁという気持ちがなんとなくでてきているので、展開や言い回し、設定など何も考えずに即興で書き続けてみよう。


 ひたりひたりと水滴が落ちる。暗い洞窟の中で、深手を負った戦士が苦痛にうめいている。

 ファーラースとオリジアの戦争は酷いものだった。長年にらみ合いを続けてきた両者であったが、ここまで大規模になるとは誰が予想できたであろうか。


「こいつらはただ小競り合いのパフォーマンスをしているんだ」


 そう話を持ってきたのは円鉄団の曲者であるオリバだった。ファーラースとオリジア、この両者の元はひとつの大国であったらしく、内戦がきっかけで分裂してしまったのだとか。お互いに大事な家宝だったり王族が分断したり、というのがあって当然のように犬猿の仲に。といっても、最近は比較的平和になって、国境沿いでにらみ合いが続いている状況なのだとか。


「定期的に両者は戦っているふりをする。んまあ、兵士の実践経験につかったりとか、国民のガス抜きとかが実際の目的だろうよ。ビジネス戦争さ。傭兵たちの間じゃそこそこ有名な話でな」


「今回はファーラースとして、それに参加するわけか」


「そゆこと。ま、俺たちゃみたいなちっせえ団が生き残るには都合がいいわけだ」


 そう言っていたオリバは魔法の矢に頭を撃ち抜かれて死んだ。敵国のオリジアが本気であると気付くのに、それほど時間はかからなかった。

 なかでも奇妙だったのは、紫にうっ血した大柄な兵士。どこからともなく現れたそいつらは、オーガみたいなパワーでファーラースの兵士と傭兵を蹂躙した。どれほど矢が刺さっても、魔法で焼かれても、死ぬ寸前まで殺すことを諦めない狂気の戦士。あれがオリジアの開発した新兵器だとでもいうのか?


 円鉄団も壊滅。ひとり逃げ出した俺は近場の洞窟に避難した。が、横っ腹に矢を受けている。多少は抑えているが、この失血だと俺も長くないのかもしれないな。いずれにせよ、戦場からこんだけ近いと残党狩りで死ぬ運命だろう。

 ああクソ!!

 どこで間違えた!

 あのときオリバの軽口を信じるべきじゃなかった。


「おじさん、どうしたの?」


 頓狂な少女の声が聞こえて、俺は先ず自分の頭を疑った。

 かすむ視界のなかに、たしかに少女が見える。草籠のなかにいくつも木の実を摘んで、大きなエメラルとの瞳がこちらを見下ろしている。縦に裂けたような瞳孔、この少女は、人間ではない?


「苦しいの? まってね、なおしてあげる」


「なに、を」


 少女が横に膝をついて、患部に両手を添える。仄かな緑色の光だった。

 水の炎がそこから注入されているかのようだ。強い熱が体中を駆け巡る。過剰なまでの痛みは逆に体を冷静にさせた。霞む意識の間で、目を瞑って言葉を唱える少女を見ていた。

 なぜ、教会の秘術をこの少女が。いや、そもそもこれは教会の秘術でもない。


「んふふ、どお? もう痛くなあい?」


 そういわれて気づく。患部にもはや痛みはなかった。それに、体も熱を帯びていて、活力が満ちている。このような魔法は初めてだ。


「ありがとう。ほんとうに助かったよ」


「どーいたしまて!」


 にぱ、と少女は笑った。

 まるで花が咲くような笑顔だ。


 いったいこの子は、何者なんだ?



 といった具合のお話はどうだろうか?

 最近スカルというゲームにばちくそハマっていて、そのゲーム内で道中助けると回復アイテムをくれるハーフリングの少女がいる。これはその少女をオマージュして作った。洞窟で倒れていたのは最初に浮かんだ場面だったので、そこにてきとーに舞台背景を付け足した。でも円鉄団って、ちょっといいかもな。悪くないセンスをしているよ。

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