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 なんだか最近自分が本来の自分を失ってしまったような気がしなくもない。日常に倦んで、腐っていた私はどこにいったのだろうか。現実逃避のために創造の世界に生きていた私はどこにいったのだろうか。小さな出来事や新しいことを逐一報告していた私はどこにいったのだろうか。

 成長というには少し違和感を覚える。いうならば、私は変化したというだけだ。それは望んだ変化ではあったが、より良いものに変わったというよりただ自分の在りかたを少しネジって、見える面を変えただけというか、そんな感じがする。

 少し前なのに、燻って仕方なかった私が少し懐かしく思える。というより、あの焦燥が、変わりたいという渇望が消えてしまって、どうすればいいのか分からなくなってしまっているのだろうか。振り返ればよくわかるが、コンプレックスや鬱憤もやはり使いようではエネルギーになるのだ。

 自分は何者になりたいのか、何を成したいのか、それが今も分からないままでいる。私は凡庸でありたくないのだろう。私は自分のためだけに生きたいのだろう。それらは確かに思い当たる欲望だが、あまりに漠然としていて何も踏み出せずにいる。自分が特別であるためにはどうすればよいのだろうか。普通の人がしないことをすればよいと思う。ただ尊敬もされたいので、悪いことはしたくない。皆にすごいといわれ、賞賛され、自分自身を自信をもって誇れる人間だと言い張れるようでありたい。

 ただ、これも漠然とではあるのだが、なんとなくそうなった後の自分が想像できてしまうのだ。そのとき、きっと私はつまらなさそうにしていることだろう。なんだ、意外と特別であるというのは簡単だったのか。そのとき私にとって特別であることは普通になっているのだ。

 以前、幸せは消耗品だといったが、それは欲望がそうだからだ。欲望というのは満たされれば当然になるのだ。人の欲望に飽きはないというが、まさしく慣れ故にそれは正しい。


 そもそも成功しなければこの妄想はすべてただの思い上がった馬鹿の杞憂になるのだが。今の私はことがトントン拍子に進むことが多くて、世界の渡りかたを知った気になっているのかもしれない。

 では私が知った気になっているという真理とは何かというと、それは必要なことに金と時間をかけるということだ。女の子にモテたかったら、自分の容姿を磨くことに金と時間をかけなければならない。美容院にいって、服を調べて買って、化粧やスキンケアをして、無駄毛処理をしなければならない。人間関係を上手く運びたかったら、コミュニケーションスキルを学ばなければならない。スクールにいってみたり、色んな人と実際に積極的に会話する必要がある。

 あまりに当然のことに思えるが、意外と誰もやっていないことだ。だからそれをやるだけで思ったより周りと差がつく。特に私のいるコミュニティは別に意識の高い人がそう多くはないので。


 さてまあ今後もコロコロと上手く事が運べば私の増長もそのままいくのだろうが、きっとそんな世間は甘くないんじゃなだろうか。きっとどこかで失敗する。でも逆にそのときまではこのまま増長させといてもいいんじゃないだろうか。

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