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先日、部活動の後輩から細やかな贈り物が送られてきた。
特に先輩のために皆で一筆したためました、ということもなくちょっとしたクッキーが入っていた。今はそれを頂きながら今日の日記を記している。ほどよい甘さの優しい味をしたクッキーで非常においしい。つい手が伸びてしまって淹れたお茶が減るペースよりもだいぶ早い勢いでなくなっている。ルピシアという、世界のお茶専門店と謳っているお店のものであるらしい。どうりでお茶とよく合うわけだ。
一昔前であったら、こういう形だけの贈り物というのは気持ちがこもっていないように感じてしまって、素直に喜ぶことができなかったように思う。ように思う、というのは私が誰かからこういった贈り物を頂いた経験がそれほどないからなのだが。
だが、こうして今頂いた贈り物はなぜか非常に嬉しく感じるのだ。私が大人になって人情の機微を理解できるよういなったから、というわけではないだろう。むしろ大人になってわかったことは、だいたいの大人は大人のふりをした子供のままであるということだろうか。まあ何事も最初は真似から入るのだから、ふりも続ければ本物になるのだろう。
話を戻そう。思うに、私も普通の人間らしくホームシックや郷愁といったものを、この新天地の一人暮らしの中で感じているのではないだろうか。今でも一人暮らしはなかなか心地の良いもので家に帰りたいとはあまり感じていないように思うのだが、やはり心のどこかでは親しんだものを求めているのかもしれない。
ちょっと前までは母からのラインなどうっとしい以外の何物でもなかったが、最近はそういった些細な通知でさえ嬉しいものに感じるのだ。私は一人暮らしを始めてからたまにお菓子を作ったりするのだが、そういったものを作っても一人で食べるだけでそのことを共有できる人が母しかいない。私の友人はそういったものに興味が一切ないみたいで、残念なことだ。
嬉しいことが、今もう一つできた。
後輩から頂いたお菓子の中に、なんとメッセージカードが入っていたのだ。内容はおそらく名前を変えただけのテンプレートのようなものだったが、それでもあるとないでは全然違う。一応ファイルに入れて、大切に保管しておくことにしよう。




