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 昨日の飲み会でついぞ嘘をついてしまった。彼女がいないのに彼女がいるという嘘だ。まさか自分がこんなしょうもない嘘をつくことになるとは思わなかった。もう後がないので嘘を本当にするためにも、先日会った人と次に会ったときにお付き合いしてもらおう。ダメだったらまた街コンいくか。


 その場の雰囲気というか、こいつはダメなやつだと見られたくないという下らない意地が私にもある。一緒に飲みに行った人たちは皆30後半からそれ以上の世代だったが、そのくらいの世代の人って当然のように学生のころに恋愛しているみたいだ。学生の頃に恋愛をしていないというだけで、まるで腫物のような扱いを受けてしまう。正直もう一緒に飲みにはいきたくないな。悪い人たちではないが、合う合わないはあるのだ。その点でいえば今の部署の人は落ち着いて助かる。


 正直情けなさのあまりこのことを考えたくすらないので、今回も日記に書こうかだいぶ迷った。しかしここはすべてを詳らかにする場所で、ここで自分を騙してしまってはこれからも同様のことを繰り返すだろう。自分の弱さを認められない人間は成長することができない。この場は己を反省し、改める方針を確認するためにあるのだから。

 見栄を張って嘘をついたことは私の弱さだ。他人から悪く見られたくないという私の悪癖がでた。それでもこうして己を見返していることは私の強さだ。私は己の弱さを認め、それを克服するために手段を講ずることができる。


 性分を治すことは一昼夜では難しいが、コンプレックス治すにはいくつか手段がある。幸い、今の私のコンプレックスは恋愛経験に乏しいという比較的やりようのあるものだ。これを治すのは簡単で、彼女を作ればよいのだ。

 そしてそのために私は先日から尽力してきた。こうして女の子との出会いも増えているわけだし、何も臆することはない。さすがに会った女の子すらいなかったあおの嘘もつきようがなかったろう。過去の自分を褒めてやりたい。

 よし、次に会ったときに告白してみよう。正直そこまで好きな子でもないが、きっというのはそういうものなのだろう。今までだって胸が苦しくなるような恋なんて存在しなかった。そもそも見た目だけで落ちる恋などはなからたいしたことはないのだろう。関わりあい、親しみ合うなかで本当の愛に気づくのかもしれない。それに期待しよう。まあそもそも付き合えたらの話なのだが。

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