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 今日から乙4資格を取得するために会社が斡旋した研修合宿に臨んでいる。丸三日間を使って一日中勉強するようだ。

 正直なところ、簡単というのが私の意見である。初日なので六時くらいから十時くらいまで勉強したのだが、既に明日受験しても受かるんじゃないだろうかというのが私の感想だった。しかしながら授業ペースは他の人に合わせて行われるので、わざわざわかっている個所の解説をえんえんと聞かされるというのはなかなか苦しいところがある。

 しかしながらできる人間というのはそういうときにぼけっとせずに集中して講義に臨み、細かな内容を脳に刻みつけることができる人間なのだろう。その点でいうならば、ぼけっと聞いていた私はできない人間と言わざるをえない。

 当然ながら高卒で入ってきた同期の中には勉強が苦手な子たちがいるようである。大卒である私の役割はそういった子たちをしっかりと見守り、同期として合格に導けるよう誘導することであると思う。

 ただ残念なことに私には人間性としての信頼性がないので、私が一緒に宿題をやろうと呼びかけても誰も反応してくれなかった。悲しい。

 だが、悲しいからもうやらないではいつまでたっても根暗な私は変わらず、成長することもないだろう。彼らにどう思われようと私が死ぬことはないのだ。ならば、やれるだけやってみなければいけない。

 というわけで、明日は講義終了後に直接呼びかけてみようか。やはりグループラインというのは一部のトップカースト層しか発言を許されないような空気が存在しているように思う。

 不正解の印で埋められた彼らの答案用紙を思い出すとやはり不安だ。どうにか全員が合格して笑って勤務地に帰れるとよいのだが。

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