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 目が痛い。

 今日は昼前にたまたま面白い小説を見つけたのだ。『妖精交換』というタイトルの小説であった。仮とついているのでそのうち変わっているかもしれない。その名の通り、主人公が妖精と精神を交換してしまうという内容になっている。かなり変わったところを攻めたものだ。

 転生したら妖精だったとか、VRゲームを始めたらレア種族の妖精だったとかは探せば次々と出てきそうだが、現地主人公が他の種族とトランスしてしまうといのは見かけたことがない。探せばありそうなものだが、だいたいは主人公がなにがしかの要因で死んでしまい、他の種族に成り代わったというパターンが多い気がする。そうして新しい種族として成長し、進化し、いずれ最強に至るというものだ。

 しかし私はこの作品を面白いと思ったのはその前提設定ではなく、そのシビアな世界観にある。妖精と精神が入れ替わるなんてなんとも頭お花畑な感じの内容をイメージしそうなもものだが、何を思ったかこの作者はしっかりとした舞台を用意してシリアス方面に舵をきったらしい。奇妙だが私個人としては好物の類なので喜ばしいことなのだ。

 それにしたって一気読みをした影響か目が痛いし体もだるい。最近思うのだがなんか休みの日のほうが疲れることがおおい。家から一歩も外に出ていないのに疲れるとは何事だろうか。仕事の日など家に帰っても、まあ疲れはあるが眠くて仕方がないということなどあまりない。しかし休みの日はもう目蓋が重くて仕方がない。いつもなら眠ってしまうのだが、今日は小説を読みたかったのでそれもできなかった。のでなんかすごく疲れている。


 しかし思うのだが、これほど他のものを犠牲にしてまで熱心に集中するということは、やはり小説以外にない。やはり私にとって小説というのは何か特別なものに思えてならない。他の人はそんなものいくつも持っているのかもしれないが、私にとってはこれだけだ。なぜだろうか?


 現実から逃避するという意味では小説よりもゲームのほうがその役割には適している気がする。文字だけではなく視覚的に他の世界を示してくれるのだから没入感が違うだろう。実際に、私の友人はFF14という仮想世界にえらくのめりこんでいる。私にとってもあの世界は間違いなく魅力的であるはずだ。それなのになぜ、小説のようにのめりこむことができないのだろうか。

 逆なのかもしれない。人間にとって視覚という情報は非常に大きく、重要なものだ。それゆえに事前に視覚情報が提供されていると、私はただそういうものとして画面上に映る視覚情報を取得する。

 しかし小説はそうではない。なにせ文字しかないのだから、私はその場面に応じたキャラクターや環境を想像によって補完しなければならない。要はどれだけリソースを使っているかという話だ。ゲーム画面であれば映る視覚情報とキャラクターボイス、あるいは文字という形で情報が提示されている。補

完する必要はあまりなく、せいぜいボイスがないキャラクターのボイスを脳内補完するぐらいのものか。さすがに私も嗅覚まで補完しようとは思わないし。


 小説の場合、そのように視覚映像やキャラクターの声を補完する必要があるので脳のリソースがそっちに大きく割かれ、しかも次々と文字という情報が飛び込んでくるものだからそれに手を取られて暇を感じる余裕もない。仕事でも忙しくしていると時間があっという間に過ぎていくが、それと似たような状態を作り出しているのである。実際文字を読んでいるときの人の脳というのは視覚や聴覚に関わるものがしっかりと働いているらしく、そのすべてを急造でつくりだしていると考えると脳ってすげーと思うがその大変さもわかる気がする。

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