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明日は試験なのだが、勉強しようと思ってはいるのだが、そのためにスプラトゥーンを持ってこなかったのだが、何もしていない。これは何者かの陰謀に違いない。きっと私が試験に受かると不都合な未来の巨大組織が時間遡航を行い、私の精神に影響を及ぼす電磁波をとばしているのだ。許せない。
私がい試験を受からないことによって、バタフライエフェクト的に彼らの悪しき繁栄が約束されるのだろう。ならば私はなんとしても試験に受からなければならないのだが、正義というのはいつも弱い立場に立たされる。悪は道を選ばないから、その分手段が豊富だ。まさに今、私の試験を非人道的な手段によって妨害しているのだから、その卑劣さは言うまでもあるまい。
くっ、ここまでだというのか。
「つまらない冗談を交えれば自分を誤魔化せると思っているのだろうか? 貴方の愚かさには感服するばかりだ」
でたな。
なぜこいつが出てきたかというと、私自身もあまりよくない状況だと理解しているからだ。今までこいつが出張ってこなかったのは、なんだかんだ私が頑張って生きていたからだろう。
「やはり貴方は頼る者が側にいるべきではない。実家に帰省した途端、なんだこの体たらくは。ルーチンである日記を書けば勉強を先延ばしにできると思っているようだが、それは大きな間違いだ。ただ貴方はやらない理由を探している。さっきまでは動画ソフトを開いていたね。特別見たい動画があったわけではないようだったが、なぜ勉強をせずに動画を探していたんだい?」
風呂から上がって、アイスを食って、そのあと勉強しようと思ったのだ。別にいいではないかと思ったのだ。だってそうだろう、まだ日をまたいだわけでもないし、明日はかなり早くいって準備をする予定だ。そこでしっかり最終確認をすれば、実技試験なんてそう難しいものではない。支社長にも大丈夫だとお墨付きをもらっている。
「ではどうして不安になっているのだろう? どうして用意するものリストを確認して、あれがないけど大丈夫だろうかと心配になっているのだろう? なぜさっき慌ててコンビニに行った? 置いても自立するカバンも用意できなかったようだね。時間はいくらでもあったはずなのに、なぜ前日になって慌てているんだい?」
それは私が後回しにしたからだ。
実家にいけばだいたい大丈夫だろうと、親が用意してくれるだろうと思ったのだ。
「貴方にとってまだ母親は万能のようだ。だが大人になった貴方がそうであるように、貴方の母親はただの女性でそれ以上ではない。貴方が必要なものを言わねば知らぬし、用意する時間がなければ用意もできない」
「これ以上の問答は時間の無駄だろう。見苦しい言い訳を聞くことほど不毛な時間もそうない。今日はここで終わるといい。早くすべきことを考えるか、いっそのこと眠ることだ」




