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なんかすごいモンスターを考えよう。
ひと昔前に禁忌のモンスターを作った。ゲームのフィールドを考えていて、その一環として作ったのだ。
「禁忌の大穴」
その大穴には人類の最大の禁忌が眠るという。大きなすり鉢状をしたその大穴の深淵は日の光も届かぬ暗闇で満たされている。
その大穴の近くでは、珍妙な話が絶えない。いわく、六つ足の野犬の野豚を見た。いわく、禿げあがった白毛の犬の群れがいた。いわく、地面に向かって伸びる歪な木があった。
大穴近辺は忌地として原住民からも忌避されており、温暖で穏やかな気候にも関わらず驚くほど生命の気配に乏しい。かつて何度か調査が行われたが、日数を重ねるほどに調査隊員から不調を訴えるものが増えたため、現在は長期の調査は禁止されている。明確な原因は定かではないが、あの大穴周辺には生命に害を与えるものがあると推測される。
上記がその大穴の概要だ。実はもとになったのはFF零式のアルテマ爆弾という超強力な爆弾の投下地である。そこではモンスターの巨大化など起こり、立ち入り禁止区域となっていたのだ。要はこの害を与えるものというのは、放射能のようなものと考えてもらっていい。
さて、ここからが私のオリジナルとなるわけだが、当然そのような状態になってしまった原因があるわけだ。
かつて栄華を極めた超魔法文明。その繁栄の礎には数多の屍が眠っていた。この事態を招いたのも、地下実験施設で行われた非人道的な実験によるものだった。
魔法は人の願いに応え、奇跡を現実にする。何もない場所から熱を起こし火を呼び、石を金にする。しかし実際にはそう便利なものではなく、人が起こせる奇跡には限度があった。その原因は脳の処理能力の限界、加えて一人の人間が抱く願いの強さに限界があるからだと考えられた。
そこでとある研究者が単純ながらも悪魔の提言をする。
「複数の人間を繋げ、一人の人間として扱えば、より強力な魔法現象を起こせるのでは?」
この提言は承認され、五人の中心塔を軸に千近い脳が結ばれた。
そしてこの実験は部分的に成功した。部分的にというのは、意識の統一が不完全であったため、魔法現象の再現性が著しく低かったのだ。
そして行われた夢の実験、名称は「魔力増幅器官計画」。魔法により、消費する魔力より多くの魔力を生み出す。つまり10の消費で15を作ろうという、夢のエネルギーを作り出す計画だったのだ。
最悪なことにこの計画は成功した。しかし生み出された魔力はこの世界にあるべきものではなかった。その性質は歪み、無作為に物質に様々な影響を与える、ただの制御不能な奇跡になってしまったのだ。
研究施設も、そこにいた者すべてを飲み込んで融解し、誰も近づきえぬ禁忌の大穴が誕生してしまった。しかし「超魔法体」と呼ばれたこの禁忌の生み親が、今もまだその大穴の最奥で生きているという。
という設定を考えたのだが、普通に危なすぎて主人公たちが近づく手段が見当たらないので没になった。この怪物の能力の詳細もあまり考えていないし。もしこれ読んでいて使えそうな設定があったら是非使ってほしい。




