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 夏を追いかけていたい。

 なんかポエトリーなことを言い出したが、なんとなくそうしていたいと思ったのだ。私は夏が好きなのだろう。

 学校の帰り道に友達とだべりながらあぜ道を歩き、駄菓子屋でアイスを買いたい。川の近くの堤防に寝そべって飛行機雲を眺めていたい。

 沈みきった夕日、しかし日の光がまだ空を淡く染めるその時間。まだ一日が終わってほしくなくて、終わりにするのが惜しくて、公園で遊びもせずに座っている。駄弁っている。それが私にとって夏を追いかける姿なのだ。

 夏を追いかけるというのは、自由に喜びを探している姿なのだ。もう勤務上がっているのに職場から三回目の電話がかかってきた…。一回は私のミスが原因だけど。

 要するに、私はいま夏を追いかけられるような有様ではないわけだ。というか、夏を追いかけられるのなんて学生のうちだけな気がする。同じようなことは今でもやろうと思えばできるのだろう。しかしそれは夏を追いかけるというより、夏を満喫するという陳腐な表現がしっくりくる。なぜだろうか?


 追いかける夏というのは、冒険心をくすぐられるような、色んな場所にいって様々な体験や出会いがあるようなものだろう。なんか最初の方であげた例とどことなく矛盾していないか? でも共通するのは「楽しそう」な体験であるということだ。川辺で寝そべるの楽しいか? きっとそれが楽しいのではなく、寝そべってたら長馴染の美少女がのぞき込んできたりするから楽しいのだ。漫画で見た、俺は詳しいんだ。

 と見直してみると、どれも何か物語が始まりそうな、あるいは物語のワンシーンのような展開ではないか。きっと私は物語の中に生きたいのだ。そこでおそろしい怪物と対峙したり、喧嘩したり、共闘したり、笑ったり泣いたり、恋をしたりしたいのだ。色々したいのだろう。贅沢なやつだ。なんかオート君勝手にでてきてない?


 今の自分を捨てて、旅にでたいのだ。なんだ、結局ここにいきつくのか。私の将来の夢は旅に出ることにでもしようか。きっと私は何をしていても、もっと素晴らしい体験がここではないどこかにあるのだと心の端で思い続けるのだろう

 だがこういうのはそうして憧れているうちが華なのだ。あれほどなりたかった二次職に実際なってみたら一日で飽きたみたいなね、思い返すと楽しかったのはグダグダ言いながら試行錯誤したレベル上げだったりする。だから私は言っておこう「いつか旅にいくのだ」と。

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