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私が読んでいる小説で、本草学についてなにかと詳しい作者さんがいる。なんでそんなマイナーというか、なぜそんなことを知っているみたいなことを知っている。いやほんとなんで知っているんだ? 気になったのでちょっと調べてみたのだが、ちょっと調べたぐらいでは分からないぐらいマイナーな知識であった。
私も異世界の小説を書くなら、できれば薬草といって食ったり塗ったりするだけで傷がいえるような魔法アイテムを出すのはなんとなく避けたい。そうなると薬草という存在の価値の位置づけや世界観への組み込みが難しくなる気がするのだ。いやいや、実際のところそんな細かいところは誰も気にしないし、無視してやりゃぁいいのだが、私が気にしてしまうのだからしょうがない。
まずどういう原理で薬草の効能が発動するのかだ。何も考えずにいけばHPバーが回復するものだと考えていい。なんか生命力的な何かが回復するのだ。知らんけど。他に考えられることといえば、鎮痛効果があるだろう。どういう原理で麻酔が効くのか知らないが、麻酔はよく医療用に使われている。戦闘中に痛みを和らげ、即時復帰するためにこの効能のある薬草は間違いなく有能だろう。しかし麻酔といえば基本的には麻薬のイメージが強い。戦争に行く人が麻薬を常用して日常生活に戻れなくなったというのはどっかで聞いたことがある。
この世のすべてのものは薬になるが毒にもなる、みたいなことを言っている人がいた。麻薬も昔は儀式や嗜好品として使われたと聞くので、適量の過多はあるだろうがどんな物も薬になるのではないかと思っている。それこそ麻薬でもだ。しかし残念ながらそれらをパンピーが正しく使えるわけではない。だからこそ薬師という設定に熱が入るというものだ。
魔女という設定にはだいたい不思議な窯で薬草を煮込んでいるようなイメージが伴う。例の時代ではそういうよく分からない薬を作っているひとが本当に魔女狩りにあっていたそうだ。まあ昔の医療なんてのはマジで脳天に穴開けてみたいなのがあったらしいし、確かに怪しい存在にも感じるだろう。
だがそういう善悪を併せ持ったといったら変だが、人を癒しも殺しもする職業と聞くとなんかこう、心をくすぶるものがないだろうか。街はずれでみんなのために薬を作っている優しい薬師が、ある陰謀の人柱として陥れられる、もうこれだけで小説できそうな気がするね。できないけど。




