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「終わらないさ。新しい夢が始まるんだ」


 ディシディアファイナルファンタジーに登場したファイナルファンタジーⅡの主人公、フリオニールの言葉だ。思えば私が本格的にゲームファンタジーに入り込んだきっかけはこのゲームだったかもしれない。私にとってのファンタジーのバイブルがエラゴンならば、ゲームファンタジーのバイブルはファイナルファンタジーといえるだろう。


 冒険。

 素晴らしい響きではにないか。雲海を泳ぎ、海底を歩み、大地を駆ける。そこに待ち受けるのは未知との邂逅だ。ときにお宝が、ときに恐ろしい怪物が、そして何より人との出会いがある。名も知らぬ、交わるはずのなかった出会いがあり、彼等すべてが自分と同じように生きていて、その歴史を持つ。それらすべてに触れたいと手を伸ばすこのワクワクはおそらく生涯私に付きまとう病であろう。


 とはいうが、実際のところ私は他人にあまり興味がない。お前は他人に興味を持たなすぎると親に叱られたことがあるくらいだ。現実というのはどうしようもなくて、だいたい人が歩んだ道というのは私のちっぽけな想像力で補うにあまりある。それらを聞いたとしても、「へぇー、なるほどなぁ、すごい!」と馬鹿みたいに相槌をうつの関の山だろう。少なくとも、私が今まであってきた人間はそうだった。

 もちろん面白い人生を送っている人というのはいる。しかしまったく想像もできないような、未知の異文化のような、そんな生き方をする人はいない。まあそれは私が日本に限定しているからというのもあるだろうが。ところ違えど、同じ国なら言葉も同じく風習も似るものだ。それらすべてを知りたいと思えるほど、私の好奇心は狂気的ではないみたいだ、残念ながら。


 しかしときおりそういった少年染みた冒険心が鎌首をもたげる。今日みたいに、漆黒のウィランズをクリアした日には。ファイナルファンタジー14の大きな章の一つだ。

 後世に伝説として語られる冒険がしたい。きっとそのときは伝説のなかにいるなんて気づくことはないだろう。目の前のことに精一杯で、ひたすらに走っている。しかし、ふとした拍子に、天まで伸びる塔を見上げたときに、鯨の上から過ぎゆく空を眺めたときに、一面広がる草原に躍り出たときに、思うのだ。自分は今、すごい冒険をしているのではないかと。

 そう考えるとなんだかワクワクしてこないだろうか? 私はする。そんな冒険がしてぇなと思うので、誰かそんあ小説を書いてくれないだろうか。これの悲しいところは、自分で小説を書いてもそれはまさしく自分が知るものを描くのであり、未知との邂逅はないということだろうか。

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