買取
それからしばらくスライムを狩りまくった。屁っ放り腰の姉は戦力外だが、ゴルダも手伝ってくれたので、かなりの量の核を手に入れる事ができた。ゴルダとは門で別れ、私達はギルドに立ち寄る。
「依頼は5つ達成ですね。支払いはどうされますか?」
「えーと、通貨でお願いします。あと、核の買取もお願いします。買取の方はギルドカードに入金して欲しいです。」
入金の割合はどうするかと訊くアナベルに半々でいいと伝える。財布は二つに分けていたほうがいざと言う時に役立つ。
「陽奈、いいの?私、役に立ってないのに」
ギルドカードをアナベルに渡しながら、姉がこちらを向くので、手でオッケーマークを作る。
「勘定は分けておいたほうが節約する時に便利だから大丈夫」
「今回の依頼分の報酬の大銅貨2枚と中銅貨5枚です。」
アナベルが木のカルトンに硬貨を乗せてこちらに差し出す。
「今回お渡し頂いたスライムの核は78個ありますが、全て買取させて頂いてもよろしいでしょうか?もしくは、こちらの3つは登録していない為、同様のクエストでの討伐証明として利用できますので、持ち帰られますか?」
「今回は全部買取で大丈夫ですよ。ところで、登録って言うのはなんですか?」
私は会話の途中での疑問を遠慮なくぶつける。
「討伐証明として利用できるのは一度きりですが、中には楽をして稼ごうと考える輩が、あ、いえ、そう言う考えを持つ方達が、二度三度と同じ物を持ち込む事があったのです。ですので、ギルドとしては対策を講じなければならなくなり、重複していたら分かるように登録魔術具を導入致しました。」
……今、輩って言ったの直したよね?涼しい顔してるけど、本当は熱血みたいな人なのかな?指摘したら可哀想だしスルーしよう。
「「そうなんですね」」
姉とハモってしまった。
それからアナベルは、何事もなかったように業務を行う。私達はそれを優しく見守る。
「入金致しました。3900アルクスずつ入っております。残金を確かめたい場合は最寄りのギルドにお問い合わせ頂ければお教えできます。こちらが明細です。」
手続きが終わったアナベルがカルトンに乗せたギルドカードを差し出す。
……すごい、銀行感。
姉を横目で確認すると同じことを考えているみたいだった。昔を懐かしんでいる表情をしている。
……無理もない。私は元銀行員、お姉ちゃんは、まだ銀行員だしね。見てたら日本を思い出すよね。こっち来てからまだそんなに経ってないけど、かなりいる気がするし。
「お姉ちゃん、いこう。宿探し。」
なんとも言えない表情の姉の手を引き、ギルドを出ると宿探しを開始する。日がかなり傾いているので、急がないといけない。値段が安いのにするか、高くても条件の良いものにするかは二人で相談して決める事にした。
何店舗か回ったあと、
「じゃあ、ここにする?」と姉が訊ねてくる。ギルドから遠すぎず、近すぎずの場所だ。立て札に【ケイナの宿】と書いてある。
「うん、一番無難だよね。本当はギルドの近くがお店が多いから便利だろうけど、立地がいいから高いし。」
「連泊割引あるし、よくわかんないけど、朝食ついててこの値段は安いんじゃないかな?一泊1000アルクスだから、あのプヨプヨ10匹、あ、二人だから20匹倒したらいいんでしょ?」
「まぁね、ランク上がったらもっと稼ぎ良くなるだろうしね。」
「じゃあ、入るよ。」
言葉より早く、カランカランと、姉が扉を開けた音がする。私も姉に続いて中に入った。
……ホテルっていうより、民宿ぽいね。洋風民宿みたいな
2人で1日分の宿代をカードで支払うと、フロントにいた二人のお姉さんの内1人が部屋に案内をしてくれる。私達はお姉さんの後について歩いた。
二階に全ての部屋があるようで、階段を登ってすぐの部屋に通してくれる。
「こちらが鍵です。また、何かございましたら、フロントにお声掛けくださいね」
「ありがとうございます。」
扉を閉めて、部屋の中を歩き回って、何があるかを確認していると気づいた事がある。
……風呂がない!
「お風呂ついてないね」
「えー、まぁ値段が値段だし仕方ないか。フロントに大浴場あるか訊いてみて、無ければ体拭くだけにしてもう寝よう。疲れたし。」
疲労の色を顔に滲ませて欠伸をする姉に同意をする。その後は、リュックの中に残った食料を二人で食べて、フロントで大浴場があるのかを訊いた。幸い一階にお風呂があるとのことだったので、順番に入ってその日の夜を乗り越える。
……ご飯とか着替えとか必要な物多すぎだ。
これから先の事に不安を覚えながら、瞼を閉じる。
……明日もがんばろ
次は狩り2です^_^
連休は更新をお休み致します




